2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24658240
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| Research Institution | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ |
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Principal Investigator |
後藤 達彦 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (30619391)
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| Keywords | 行動学 / 遺伝学 / ゲノム / 動物 / 畜産学 / マウス / 個体差 / 家畜化 |
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| Research Abstract |
野生原種から「家畜化」された愛玩動物や産業動物において共通に認められる行動学的特性は、従順性（ヒトに対する馴れやすさ）である。この従順性は選択交配によって選抜できることから、確かに遺伝するが、その遺伝的基盤はほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、多様な近交系マウスを用いた解析を行い、従順性に関わる遺伝的基盤を理解することを目的とした。
野生由来の近交系マウス10系統（MSM, HMI, BLG2, PGN2, KJR, CHD, NJL, BFM/2, SWN,ならびにCAST/Ei）、日本の愛玩マウス1系統（JF1）および、実験用マウス6系統（C3H, C57BL/6, CBA, DBA/2, BALB/c, 129）計17系統の雄12個体を対象にした。新たなハンドリングテストを考案し、ヒトの手に対するマウスの自発的ならびに受動的な従順性行動を評価した。これらの行動形質に関して、有意な系統差が認められ、広義の遺伝率は15-72%と推定された。野生由来のマウス系統と「家畜化」されたマウス系統を比較すると、受動的な従順性において大きな差異が認められた。このことから、愛玩および実験用マウスは「家畜化」の過程で、ヒトからの接触を避けないような行動特性が選抜されてきたと推察された（Goto T., Tanave A., Moriwaki K., Shiroishi T., Koide T. Revise準備中）。
これまでに、これらの遺伝資源を利用した交雑集団を対象にして、各個体の従順性に関する行動形質データの取得ならびに、Genotyping Arrayによる77,800 SNPs遺伝子座の解析を行った。今後は、これらのデータを用いたゲノムワイド関連解析を遂行する予定である。これによって、マウスの従順性行動の個体差を生み出す複雑な遺伝的基盤の理解が進むものと期待される。
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