2013 Fiscal Year Annual Research Report
牛白血病早期発症傾向は真実か?その検証と革新的な原因探索
Project/Area Number |
24658241
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今内 覚 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (40396304)
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Keywords | 牛白血病 / 牛白血病ウイルス / 散発型牛白血病 / 子牛型白血病 / 地方病型白血病 / リンパ腫 / BLV / 若齢牛 |
Research Abstract |
H25年度は共同研究機関の協力を得て、リンパ節腫脹や白血病を呈した牛白血病発症疑いウシ14頭の解析を行った。牛白血病ウイルス(BLV)はB細胞に感染すると、宿主ゲノムにプロウイルスとして組み込まれるが、感染牛のリンパ球や血清中にBLV抗原はほとんど検出されない。そこで、BLV感染B細胞のより詳細な性状を解析した。その結果、病態の進行に伴い増加するIgM高発現B細胞は、プロウイルス量では差が観られなかったが、IgM低発現 B細胞よりもBLV抗原を発現しやすい細胞群であることが示された。さらに、IgM高発現B細胞とIgM低発現B細胞の機能解析及びマイクロアレイによる発現遺伝子の網羅的解析を行った結果、IgM低発現B細胞では、T細胞性免疫を抑制するPD-L1、ウイルス由来癌遺伝子Tax/Rex mRNAや前癌遺伝子の発現が高いことが判明した。また、BLV感染牛由来B細胞リンパ腫での主要な細胞群は、IgM低発現またはIgM陰性B細胞であり、IgM高発現B細胞はほとんど存在しなかった。H24年度からの調査により、若齢での牛白血病発症牛のほとんどにBLVの感染が認められ、B細胞の腫瘍を呈している個体が多く認められた。しかし従来のCD5陽性B細胞の腫瘍疾患である地方病型とは異なり腫瘍形成を呈しBLVとの因果関係は不明である。本研究により、免疫抑制因子がBLV感染症に起因する免疫抑制及び病態進行に関与していることが示され、さらにBLVの体内伝播機構や牛白血病発症機構におけるIgM高発現B細胞群やIgM低発現B細胞群の役割が明らかとなった。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] Enhanced expression of LAG-3 on lymphocyte subpopulations from persistently lymphocytotic cattle infected with bovine leukemia virus2013
Author(s)
Konnai S, Suzuki S, Shirai T, Ikebuchi R, Okagawa T, Sunden Y, Mingala CN, Onuma M, Murata S, Ohashi K.
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Journal Title
Comp. Immunol. Microbiol. Infect. Dis.,
Volume: 36
Pages: 63-69
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 牛白血病の対策について2013
Author(s)
今内 覚
Organizer
北海道獣医師会留萌支部平成25年度新技術講習会
Place of Presentation
北海道留萌家畜保健衛生所(北海道天塩郡幌延町)
Year and Date
20130927-20130927
Invited
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