2012 Fiscal Year Research-status Report
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24658242
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
河津 信一郎 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60312295)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 獣医学 / 感染症 / バベシア / ライブイメージング / 遺伝子改変原虫 |
Research Abstract |
(1)緑色蛍光タンパク質(GFP)安定発現バベシアの作出: 薬剤耐性遺伝子(hdhfr)を組み込んだGFP発現プラスミド (DHFR-gfp)を構築し、ウシバベシア原虫(Babesia bovis)細胞に導入した。選択薬剤(WR99210)存在下のin vitro培養と限界希釈法によりGFP発現クローンを得た。クローンは薬剤存在下培養で1年以上GFPを安定発現した。バベシア人工染色体の構築を試みた。B. bovisセントロメア領域をDHFR-gfpに組み込んだ (DHFR-gfp-Bbcent2)。DHFR-gfp-Bbcent2導入クローンを薬剤無添加培地で培養したところ、DHFR-gfp導入原虫の約60%がプラスミドを失う培養60日目においても80%の原虫がGFPの発現を維持していた。 (2) 遺伝子ノックアウト系の確立: B. bovisチオレドキシンペルオキシダーゼ(BbTPx-1)のノックアウトを試みた。DHFR-gfpの両端にBbtpx-1の5’及び3’配列を組み込んだコンストラクトを作製し、原虫細胞に導入した。薬剤選択とクローニングの後、Bbtpx-1遺伝子座の破壊及びBbTPx-1の欠失をサザンブロット法及びウエスタンブロット法で確認した。 (3)GFP発現原虫を用いたバイオイメージング解析: GFP安定発現B. bovisのメロゾイトが赤血球より遊出し、赤血球に接着・侵入する過程についてタイムラプス解析を行った。その結果、バベシア原虫メロゾイトは滑走運動を行うことが初めて明らかとなった。また、滑走運動はトキソプラズマ原虫タキゾイトのヘリカルグライディング(旋回滑走)に類似していること、またその駆動系がアクチンミオシンモーターであることが明らかになった。現在、滑走運動の意義を考察するため、赤血球置換SCIDマウスを用いたバイオイメージング実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GFP安定発現バベシアの作出、遺伝子ノックアウト系の確立に成功し、GFP発現原虫を用いたバイオイメージング解析にも着手することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、バベシア原虫でのライブイメージング実験系を確立して、同原虫での基礎生物学研究の基盤を調えることを目的として研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し。
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Research Products
(6 results)