2013 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発見したNU1およびNU2ペプチドの生理機能の探索
Project/Area Number |
24658247
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村上 昇 宮崎大学, 農学部, 教授 (80150192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 哲郎 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (30264352)
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Keywords | 新規ペプチド / ニューロメジンU / ニューロメジンS / 概日リズム / 摂食 / 体温 |
Research Abstract |
近年、ニューロメジンU(以下NMUと略)とニューロメジンS(以下NMSと略)の前駆体に、NMUおよびNMSとは異なるペプチドホルモンが含まれており、プロセシングの過程で別個のホルモン(それぞれNU1、NU2と仮称する)として切り出されてくることを発見した。それらは分子量から推定すると、生理活性物質の可能性が高く、そこで、一昨年からその生理作用の解明を試みた。アミノ酸配列を見てみると、NU1、NU2はNMUやNMSとの相同性が非常に低かったことからNMUとNMSのそれぞれの受容体に結合するとは思われず、NMUやNMSとは異なる生理機能を有すると推測された。初年度は、NU1、2のラット側脳室への投与が摂食量や体温、概日リズムに影響を及ぼすことなどが明らかとなった。今回はNU1、NU2を脳室に投与し、その結果どのような遺伝子が変化するかをジーンチップで解析した。NU1、NU2をそれぞれ側脳室に投与し、90分後に視床下部を採取し遺伝子変化を解析した。NU1およびU2の投与で、prostagrandin Eの合成酵素およびシクロオキシゲナーゼ2のmRNAの発現が著しく増加した。これらの酵素はいずれもアラキドン酸カスケードでのprostagrandin Eの合成に関わっている。この結果と先の結果を併せて考えると、これらの酵素を介して体温の調節に関与している可能性が示唆された。そこで、この可能性を検証するために、NU1, NU2の側脳室投与による体温上昇がprostagrandinの合成阻害薬インドメサジンの前投与で阻止されるか否かを検討した。その結果、インドメサジンの前投与はNU1,2の体温上昇作用を完全にブロックした。以上の結果、新規ペプチドNU1,NU2はprostagrandin Eの合成を促進して体温を増加させることが判明した。
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