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2013 Fiscal Year Research-status Report

ニワトリ種卵の発生停止と再開機構の分子メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 24658250
Research InstitutionNippon Veterinary and Life Science University

Principal Investigator

中尾 暢宏  日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 講師 (60377794)

Keywordsニワトリ種卵 / 貯卵 / 発生停止
Research Abstract

多くの子孫を残すために動物が獲得した種卵の保存機構(貯卵)は、よく分かっていない生命現象でその詳細な分子メカニズムは不明である。そこで本研究では、ニワトリ種卵の発生停止と再開機構を明らかにするために、まずニワトリ種卵における胚の発生停止と再開がどの発生時期(ステージ)でまで人為的に可能であるのかを検討し、ステージ35までの全てのステージで発生停止と再開の人為的コントロールが出来る事を明らかにした。そこで平成25年度は、さらにステージ40までの種卵について孵卵中に15度、湿度75%の低温処置(貯卵)を与えたところ、孵化率は低下するものの発生停止と再開の人為的コントロールのできる可能性が示唆された。次に、ニワトリ種卵の発生停止と再開に関わるシステム因子を単離するために、種卵に貯卵処置を24時間与えた後(0時間)、孵卵3、6時間後、さらに24時間の貯卵を行った際の4ポイントの種卵を用いて網羅的遺伝子発現解析を行ったところ、経時的な遺伝子の発現様式から6のグループに分類できる148個の遺伝子が発現変動していた。さらに発生の停止と再開に関与していると推察される細胞周期の調節は、タンパク質のリン酸化、脱リン酸化が重要な役割を持つことから、ニワトリ種卵の発生停止と再開時におけるリン酸化タンパク質について検討を行った。貯卵後(0時間)、孵卵処置0.5、1、2、3、6時間後、さらに24時間の貯卵を行った際の7ポイントに関してリン酸化タンパク質を検討したところ、孵卵処置開始初期の0.5、1時間においてリン酸化されるタンパク質が存在する可能性が示唆された。これらのことから、ニワトリ種卵の発生停止と再開機構には、遺伝子の発現調節と孵卵期間初期の修飾タンパク質が重要である可能性が推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度の実施計画である、1.ステージ35以上の種卵を用いて貯卵耐性能の検討、2.発生停止と再開に関わる遺伝子のホールトランスクリプトームによるシステム因子の解析、3.プロテオーム解析から明らかにする発生停止と再開おける修飾タンパク質の同定(3は、平成25~26年度にわたり実施計画)について、2.に関しては平成25年度の結果より他の組織についても検討する必要があるが、
3.の研究を遂行しているところでおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度の実施計画である2.発生停止と再開に関わる遺伝子のホールトランスクリプトームによるシステム因子の解析から、148個の遺伝子を単離する事に成功したが、その中には用いた心臓組織特異的に発現する遺伝子も含まれていたことから、148個の中からさらに温度刺激に応答する遺伝子を絞り込む必要がある。そこで、148個の遺伝子の中から肝臓においても心臓と同様な発現様式を示す遺伝子の抽出を行う。
3.平成25年度に引き続いて、3.プロテオーム解析から明らかにする発生停止と再開おける修飾タンパク質の同定を行う。
4.発生停止と再開に関わる鍵分子の同定と分子ネットワークの作成
25年度に得られた胚の発生停止と再開に関与していると考えられる148個の遺伝子の中から鍵分子を抽出する。鍵分子について、リガンドや阻害剤が入手可能なものは、1.で実施した発生ステージにおける発生停止と再開可能ステージの同定で明らかになったステージの胚にin ovo投与する。リガンドや阻害剤が存在しない場合は、レンチウイルスをin ovo投与する。レンチウイルスには、ターゲット遺伝子の翻訳領域(gain of function)またはターゲット遺伝子の siRNA (loss of function)を組み込む。以上のin ovo実験を行い発生の停止可能期間と再開を調べた上で孵化率を検討し鍵分子を同定する。さらに25年度で実施した結果と3.プロテオーム解析から明らかにする発生停止と再開おける修飾タンパク質の同定の結果をネットワークとして統合し分子ネットワークを作成する。
以上を実施しニワトリ種卵の発生停止と再開機構の分子メカニズムついて、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究実施計画「3.プロテオーム解析から明らかにする発生停止と再開おける修飾タンパク質の同定」で使用する使用期限の短い試薬の購入を見送らざるをえなく次年度使用額が生じた。
平成25年度から引き続いて行う研究実施計画「3. プロテオーム解析から明らかにする発生停止と再開おける修飾タンパク質の同定」の費用に充当する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Changes in expression levels of neurotensin precursor and receptor mRNA in chicken intestinal tissues and liver during late embryonic and early posthatching development.2013

    • Author(s)
      Minoru Tanaka, Nobuhiro Nakao, Ichiro Yamamoto, Nobumichi Tsushima, Yoshiyuki Ohta
    • Journal Title

      Poultry Science

      Volume: 92 Pages: 2765-2771

    • DOI

      10.3382/ps.2012-02939

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ニワトリ腸管における胆汁酸輸送タンパク質遺伝子(SLC10A2)の構造と発育に伴う発現変動2013

    • Author(s)
      中尾暢宏、對馬宣道、田中実
    • Organizer
      日本家禽学会
    • Place of Presentation
      筑波大学中地区第3エリア
    • Year and Date
      20130329-20130329

URL: 

Published: 2015-05-28  

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