2012 Fiscal Year Research-status Report
ヘルペスウイルス増殖におけるアンチセンスRNAによる新規遺伝子発現調節機構の解明
Project/Area Number |
24658256
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
福士 秀人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10156763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 賢司 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50402219)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | アンチセンスRNA / ヘルペスウイルス / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
ヘルペスウイルス感染細胞をモデルとしてポリA保有アンチセンスRNAの意義を遺伝子発現調節機構という視点で解明する.アンチセンス鎖RNAの機能としてマイクロRNA(miRNA)かが近年,注目されている.しかし,機能や意義は不明であるがmiRNA以外のアンチセンス鎖RNAの存在も知られている.本研究では,ウマヘルペスウイルス1型の転写動態解析において見いだされた特定の遺伝子におけるアンチセンス鎖RNAの機能と意義を明らかにしようとするものである.アンチセンス鎖RNAがmRNA安定化を含む正の調節に関与するという仮説のもとに研究を行い,新しい遺伝子制御機構を明らかにすることを到達目標としている. 本年度はウイルス感染細胞におけるmiRNA解析を実施した.次世代シーケンサーを用い,感染細胞で発現しているmiRNAを網羅的に解析した.その結果,ウイルスゲノムに由来するmiRNAはほとんど発現していないことがわかった.一方,宿主由来miRNAは感染後,ウイルス増殖にともなって増減がみられた.すなわち,感染後にmiRNA量が減少するmiRNAおよび増加するmiRNAが検出された.これらのmiRNAの変動は何を意味するかについては,まだ不明である. 別の視点からアンチセンスRNAの機能を解析するために,ウイルス感染細胞における網羅的な転写開始点解析を実施した.実際の転写開始点の同定には至っていないが,経時的な転写産物の動態を明らかにした.今後,センス鎖およびアンチセンス鎖の転写開始点を同定する予定である.この転写開始点解析の成果をもとに,miRNA以外の機能について解析する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は二つの実験を計画したが,そのうちの一つであるアンチセンス鎖の機能としてmiRNA以外の機能解析の実施には至らなかったが,この実験に先立ち,アンチセンス鎖の転写開始点解析が必要となり,この転写開始点解析を行ったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
予定通りに研究を遂行する.平成24年度で実施できなかった研究も含め,25年度中に研究を遂行する.具体的には,平成24年度に実施できなかったセンス鎖およびアンチセンス鎖の転写開始点解析を実施し,アンチセンス鎖転写プロモーターの同定を行い,破壊実験を実施する.他の実験については計画に沿って実施する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
転写開始点解析および破壊実験に使用する.
|