2013 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖修飾改変による高増殖性・高免疫原性狂犬病ウイルスワクチンの開発
Project/Area Number |
24658258
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
山田 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (70458280)
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Keywords | 狂犬病 / 狂犬病ウイルス / ワクチン / N型糖鎖 |
Research Abstract |
前年度末に、街上毒株Gタンパク質にN型糖鎖を4もしくは5個追加した場合に、G遺伝子欠損ウイルスを用いたシュードタイプ法において、通常の細胞ではウイルス産生がほとんど抑制されるが、細胞に糖鎖関連酵素阻害剤を処理することでウイルス産生性が回復することを見出した。これより、Gタンパク質N型糖鎖修飾改変によって、特殊な培養細胞では増殖可能であるが動物体内では困難な株、つまり高度に安全な生ワクチン種株の開発への応用が期待できた。しかし、前年度末の時点で阻害剤存在下でのウイルス産生性は回復したものの効率は悪く、産業ベースで使用するためには改善が必要であった。 そこで本年度は、高い効率で制限増殖性を示すようなGタンパク質におけるN型糖鎖修飾の組み合わせをシュードタイプ法でスクリーニングし、選別した組換えGタンパク質について免疫原性の評価も行った。スクリーニングの結果、一定の効率で制限増殖性を示すN型糖鎖修飾の組み合わせ(5ヵ所追加)を得ることができた。続いて、この選別したGタンパク質変異体とN型糖鎖を1ヵ所追加した各種変異体(第37位、146位、158位、194位、204位もしくは247位)についてDNA免疫法およびウイルス中和試験により免疫原性を検討したところ、単独追加では第194位への追加が最もGタンパク質の免疫原性を亢進させた。今回選別した複数のN型糖鎖追加を有する(第194位も含む)Gタンパク質変異体も第194位単独追加変異体と同程度の免疫原性を示した。以上、今回得られた成果は、基礎的・予備的ではあるものの、Gタンパク質N型糖鎖修飾改変による免疫原性に優れた安全な生ワクチン用種株の開発に繋がるものとなった。また、Gタンパク質第37位もしくは第146位へのN型糖鎖追加もウイルス増殖性の亢進に関与することについて報告も行った(Virus Res. 179: 169-176, 2014)
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Research Products
(3 results)