2013 Fiscal Year Annual Research Report
CLPTM1が関わる新しい小胞体品質管理分子機構と疾患
Project/Area Number |
24658262
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲葉 睦 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 教授 (00183179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 耕太 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (50283974)
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Keywords | 小胞体関連分解 / プロテアソーム系 / 膜蛋白質 / 小胞体品質管理 / ERシャペロン |
Research Abstract |
1.AE1変異体を発現させたHEK細胞から、プルダウン法/LC-MS/MS法により、これと相互作用するER関連分子としてCLPTM1、KIAA0090、p97/VCP、Derlin-1、Derlin-2、calnexin、FIT、CLPTM1等を同定した。 2.前年度研究から、CLPTM1は、R664X AE1の小胞体関連分解過程で直接に分解に寄与するのではなく、これをERに止める作用をもつことが示唆された。そこで、これを検証し、また同時に他のER分子の作用を検討すべく、CLPTM1、KIAA0090等の組換え蛋白質をHEK細胞に発現させ、同時に導入したR664X AE1の分解に及ぼす影響を解析し、遺憾の結果を得た。 1)CLPTM1-mycの過剰発現はR664X AE1の発現量に明らかな影響はみられなかった(対照の約90%)が、KIAA0090-mycを同時に発現させるとR664X AE1含量の著しい低下(同45%)がみられ、これはプロテアソームの抑制により阻害された。2)これらの細胞では、CLPTM1-myc、KIAA0090-mycの免疫沈降反応でR664X AE1の共沈が認められ、かつその共沈産物量はKIAA0090のほうが相対的に多かった。3)p97/VCPの過剰発現はR664X AE1含量の顕著な減少は生じなかったが、その機能不全変異体K524Mの存在下で、R664X AE1含量は約2倍に増加した。即ち、そのプロテアソーム系分解にはp97/VCPが必須であることが示された。 これらの知見から、CLPTM1はR664X AE1のER品質管理に関わるものの、そのERから細胞質への輸送とプロテアソーム分解には、むしろp97/VCPとKIAA0090が関与することが示唆された。
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