2014 Fiscal Year Annual Research Report
アミロプラスト分化マスター遺伝子の同定による植物バイオマスの革新的改変
Project/Area Number |
24658271
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 秀幸 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70179513)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アミロプラスト / 分科 / 脱分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アミロプラスト分化マスター因子の探索に必要となるレポーター遺伝子のスクリーニングを、公共のシロイヌナズナトランスクリプトームデータベースを参照しながら実施した。その結果、デンプン貯蔵細胞で特異的な発現パターンを示す19遺伝子を見いだした。これらの中には、タバコ培養細胞を用いた先行研究から遺伝子発現レベルがアミロプラスト分化状態と強い相関を持つ遺伝子が含まれていた。これら遺伝子のうち、2遺伝子をピックアップしレポーターとして利用することとした。すなわち、これら遺伝子のプロモーターにGFPあるいはGUS遺伝子を連結させた形質転換用コンストラクトを作成し、野生型シロイヌナズナにアグロバクテリウムを介して形質転換した。次に、アミロプラスト分化・脱分化誘導系の検討を行った。その結果、シロイヌナズナ根端のデンプンは0.4Mマンニトールによる浸透圧刺激により4時間以内にほとんど消失した。この反応は非常に速やかで、処理後1時間以内に元の30%程度まで減少することが明らかになった。浸透圧刺激処理後、通常の栄養培地に移植すると、移植後1時間目よりデンプンは徐々に回復した。これらの結果を踏まえ、脱分化スクリーニング系として、0.4Mマンニトール溶液処理を4時間行うこと、再分化スクリーニング系として、デンプンを消失させた個体をMS培地で4時間処理することが適当であると判断された。本年度は、形質転換を実施したレポーター系統について、形質転換後の個体を選抜し、デンプン貯蔵細胞においてレポーター遺伝子の発現を確認した。また、デンプン貯蔵細胞において特異的発現を示す遺伝子について、上記アミロプラスト分化・脱分化誘導系における発現変動をRT-PCR法により解析した。そして、デンプン合成、分解に関わる遺伝子群の発現制御には少なくとも数パターンあることが示唆された。
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