2012 Fiscal Year Research-status Report
茶葉炭による飲料水中のフッ素の無害化と茶に含まれる高濃度フッ素の分析
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24658278
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
川上 智規 富山県立大学, 工学部, 教授 (10249146)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | フッ素 / 茶 |
Research Abstract |
紅茶や日本茶など茶に含まれるフッ素をイオンクロマトグラフ法で測定すると、40mg/lを超えるフッ素が検出される。しかしながら試料を蒸留後「ランタンアリザリンコンプレキソン吸光光度法」を用いて分析すると1mg/l程度の濃度である。仮にイオンクロマトグラフ法による分析結果が正しいとすると、一日一杯200mlのお茶を飲んだ場合にフッ素の摂取量が8-12mgになり、それだけでEUの提唱する成人の上限値である7mg/dayを超過する。従って、実際のフッ素濃度を正しく定量し、両手法による結果の差異をもたらす原因について調べることが必要である。 これまでの研究で、フッ化アルミ水溶液に含まれるフッ素はランタンアリザリンコンプレキソン吸光光度法やフッ素電極では検出されないことがわかっている。そこでフッ素状の物質は、アルミ等との錯体で存在し検出されないのではないかと考えた。硫酸ベリリウムの添加、8-キノリノールの添加、陽イオン交換樹脂や、電解法を用いてフッ素の遊離化を試みフッ素電極で測定したがフッ素は検出できなかった。また、フッ化アルミのアルミはGFAASやICP-AESでは検出されないがICP-MSでは検出が可能であることが判明したため、お茶に含まれるアルミをICP-MSで分析したが、40mg/lのフッ素と錯体を生成するほどの濃度は検出されなかった。 一方、茶をペルオキソ二硫酸カリウムにより120℃で分解するとイオンクロマトグラフでもフッ素状物質は検出されなくなった。これらのことよりイオンクロマトグラフで検出されるフッ素状物質は有機酸であって、フッ素ではない可能性が高くなってきた。現在ではイオンクロマトグラフのカラムとサプレッサーを用いて、フッ素状物質の精製を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イオンクロマトグラフで検出されるフッ素状物質の同定に手間取っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
イオンクロマトグラフで検出されるフッ素状物質を同定する。現在、イオンクロマトグラフのカラムとサプレッサーを用いて、フッ素状物質の精製を試みている。精製した物質をHPLCで分析する予定である。一方、茶葉炭に関しては、通常炭に加えリン酸処理を施した活性茶葉炭を用いてフッ素除去に関する特性を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フッ素状物質のHPLCによる分析の外部委託 100千円 残りは分析アルバイトの一部に充当
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Research Products
(2 results)