2013 Fiscal Year Annual Research Report
茶葉炭による飲料水中のフッ素の無害化と茶に含まれる高濃度フッ素の分析
Project/Area Number |
24658278
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
川上 智規 富山県立大学, 工学部, 教授 (10249146)
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Keywords | フッ素 / イオンクロマトグラフ / 茶 / 茶葉炭 |
Research Abstract |
イオンクロマトグラフでお茶を分析すると、フッ素が50mg/lという高濃度で検出される。しかしながら、アルフッソン法やイオン電極法では検出されない。そこでイオンクロマトグラフ法にのみピークをもたらす物質を探求した。お茶を140℃の過塩素酸で分解し、水蒸気蒸留法を用いてフッ素を抽出した場合、その物質は抽出されず残渣側に残った。しかしながら、残渣をイオンクロマトグラフにかけたところピークは消滅していなかった。このことは有機物ではない可能性が高いことを示している。実際、フッ素とピークが近いとされるカルボン酸に関して入手できる限りの種類をイオンクロマトグラフにかけてフッ素とピーク位置を比較したが、いずれもフッ素のピークとは重ならなかった。高濃度に濃縮したお茶をイオンクロマトグラフのカラムと溶離液を用いて精製し(フッ素のピークが現れる時のカラム排出液をサンプリング)、有機酸分析装置で物質の特定を試みたが、有機酸は検出されなかった。さらにこの溶液に対して蛍光X線分析を行ったところ、高濃度のフッ素は検出されなかった。イオンクロマトグラフの一種であるイオン排除分離モードで分析した結果、高濃度のフッ素のピークは検出されなくなった。これらのことから、お茶がもたらすイオンクロマトグラフ上の高濃度フッ素は、フッ素では無い無機物の可能性が高い。しかしながら物質の特定には至らなかった。 一方、茶葉炭を用いたフッ素の無害化処理については、高濃度のフッ素がお茶に含まれないという結論になったことから検討の必要性が低くなった。しかしながら、茶葉炭でフッ素を含む溶液を処理するとアルフッソン法ではフッ素が検出されえなくなるのは事実である。そこでこの原因を追究した結果、茶葉炭にはアルミが含まれており、溶液中でフッ素とアルミが錯体を生成することによりアルフッソン法では検出できなくなることが判明した。
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Research Products
(2 results)