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2012 Fiscal Year Research-status Report

nanoFRET-SNOMによるバクテリアべん毛の動的機能性評価システム

Research Project

Project/Area Number 24658292
Research InstitutionPrefectural University of Hiroshima

Principal Investigator

吉野 智之  県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (30391204)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
KeywordsAFM / SNOM / FRET / バクテリア / べん毛
Research Abstract

サルモネラ(Salmonella typhimurium)のべん毛の野生型および変異株体(ストレート型)に対する基板上の抗体の厚みや有無などの影響を液中AFMで検討した。70%エタノールで清浄されたガラス基板と清浄されたガラス基板にポリLリジン(PLL)、1%グルタルアルデヒド(GA)およびH-i抗体をコートしたものを観察用基板とした。
観察試料の最も良い作製方法は、観察を行う直前に遠心した試料を滴下する方法であることがわかった。溶液中の不純物を取り除け、試料に与えるダメージが少なく本来の構造が最も反映されるという利点があると考える。Salmonella typhimuriumのストレート型べん毛では、べん毛の重なりの上下がわかった。野生型べん毛では、基板に固定されている部分は観察が容易であったが、浮いている部分は形状が明確ではなく、AFMのエラー信号から推察できる程度だった。さらに、べん毛がなくフックのみを構築する変異体を観察した結果、細胞膜上のフック構造(約50 nm)を観察することができた。また、Peanibacillus alvei AuG6のべん毛を通常の大気中観察用AFM探針で観察するとフックの周りにらせん状の構造が取り巻いている様子が初めて観察された。
上記と平行して、SNOM(走査型光プローブ顕微鏡)によるnanoFRETシステムのための基礎データを取得するために、蛍光色素によるFRETを行った。まず、基板上に、蛍光色素のAlexa 488(緑色の蛍光)およびAlexa 532(赤色の蛍光)を固定し、488 nmの単色レーザで近接場光でAlexa 488を励起させ、その蛍光でAlexa 532を励起し、その蛍光554 nmを取得できるようにSNOMを改良した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、バクテリア(Salmonella typhimurium)のべん毛の野生型および変異体(カーリー型やストレート型)に対する基板上の抗体の厚みや有無などの影響を液中AFMで検討しただけでなく、Paenibacillus alvei AuG6の細胞膜上でのフックの観察に成功した。これらは、そのための基板やバクテリア試料の作製方法がひとつのバクテリアに特化したものではないことがわかった。また、本課題の目的のひとつでもある「バクテリアべん毛の「動的機能性評価システム」を構築」の生物側からのアプローチが計画以上に進んでいると考えられる。
生物アプローチと平行した光学アプローチでは、SNOM(走査型光プローブ顕微鏡)によるnanoFRETのシステムを構築を目指した。本年度の目的である蛍光色素によるFRETシステムが完成した。基板上の蛍光色素のAlexa 488(緑色の蛍光)およびAlexa 532(赤色の蛍光)を固定し、488 nmの単色レーザで近接場光でAlexa 488を励起させ、その蛍光でAlexa 532を励起し、その蛍光554 nmを取得できるようにSNOMを改良した。計画では、Alexa 532で修飾したSNOM光プローブを作製することになっていたが、生物アプローチで、二次抗体としてAlexa 532を結合する方が容易であることから行わなかった。
よって、総合的に、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

次年度は以下のことを行い、実用性を検討する。
1.nanoFRET-SNOM解析法の確立
SNOM(走査型光プローブ顕微鏡)における微弱な蛍光の検出が可能になるように検出装置の改良を行う。次に、FRET法を応用し、バクテリアのべん毛やフックなどの蛍光による可視化を行う。具体的には、SNOM光プローブで、488 nmの近接場光を作り、それによってべん毛(Alexa 488)を励起させる。予め、光プローブはAlexa 532で修飾しておき、Alexa 488の緑色の蛍光によりFRETを起こさせる。FRETの蛍光信号(赤色の蛍光)を蛍光フィルタで選択的に取得する。FRETは2 nmに近づいた時に起こるので、高さ方向の分解能が2 nmになる(FRET-SNOM検出制御)。この際、SNOM光プローブの振動振幅をモニタリングしながらSNOM光プローブとべん毛との接点を確認する(相互作用力検出)。蛍光信号と微弱電圧信号を重ね合わせ、高さデータを含めた3D蛍光信号像を再構築する。
2.バクテリア菌体固定の自由運動べん毛の回転数やトルク等の直接観察
バクテリア菌体を基板に固定し、べん毛を自由に運動させた後、SNOM光プローブの横振動測定を行い、べん毛の回転数やトルク等の測定法を開発する。
最終的には、バクテリアべん毛の「動的機能性評価システム」を構築する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験が順調に進み、当初、予定していた蛍光色素Alexa 532で修飾したSNOMプローブの作製が、より簡便で安価な生物アプローチで、二次抗体としてAlexa 532を結合させる方法が良いことがわかったため、当該助成金が生じた。翌年度は、生物アプローチの方法に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Karyotyping of barley chromosomes by a new fluorescence banding technique combined with scanning probe microscopy2012

    • Author(s)
      S. Sugiyama, T. Yoshino, T. Hirose, T. Ohtani
    • Journal Title

      Scanning

      Volume: 34 Pages: 186-190

    • DOI

      10.1002/sca.20287

URL: 

Published: 2014-07-24  

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