2012 Fiscal Year Annual Research Report
不活性アルカン炭素ー水素結合アミノ化反応におけるブレークスルーの確立
Project/Area Number |
24659006
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50127065)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | CHアミノ化反応 / ナイトレノイド / 臭素 / 超原子価 / アルカン |
Research Abstract |
我々は未踏研究領域(超原子価ブロマンの化学)の開拓を目指して研究を行っているが、本研究の目的は、反応系中でイミノブロマンを直接発生させ、位置選択的アルカンC-Hアミノ化反応を実施するという新しい方法論を開拓することであり、以下の研究成果を得た。 1)溶媒量のアルカンを用い、ジアシロキシ-λ3-ブロマンとトリフリルアミドを加えて、反応系中でまずイミノ-λ3-ブロマンを発生させ、アルカンC-H結合のアミノ化反応を実施することに成功した。 2)反応系中でイミノブロマンを直接発生させる本C-Hアミノ化反応は、非常に高い位置選択性及び立体選択性を示すことが明らかとなった。不活性アルカンC-Hアミノ化反応では、CH基>CH2基>>Me基の順にC-H挿入反応の反応速度が減少した。 3)UVスペクトルを用いて反応速度を測定したところ、イミノ-λ3-ブロマンを生成するステップは速い反応であり、イミノ-λ3-ブロマンによるC-H挿入反応が律速段階であることが明らかとなった。即ち、反応速度はアルカンの濃度に比例し、イミノ-λ3-ブロマンが有機ナイトレノイドとして機能していることになる。 4)シクロヘキサンC-H結合のアミノ化反応について分子軌道計算を実施したところ、活性反応種であるナイトレンが関与する反応ではないことが明らかとなった。イソブタンのメチン基、プロパンのメチレン基及びエタンのメチル基へのC-H挿入反応についても検討し、遷移状態のエネルギーを比較して、実験結果と一致することを確認した。
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Research Products
(15 results)