2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 茂貴 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10170672)
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Keywords | 8-ニトログアノシン / 酸化損傷塩基 / 8-オキソグアノシン / 8-ニトログアノシンモノリンリン酸 / 検出 |
Research Abstract |
本研究では、水溶液中での8-ニトロGの認識を目指し、効果的な検出のため8-ニトロGのニトロ基の脱離能に着目し認識分子にチオールを導入した分子を合成し、共有結合により強固に結合した錯体形成を検討した。前年度までにフェノキサジン骨格にウレア型側鎖をもつ分子を基本に、水溶液中で8-ニトロGに対して高い錯体形成能を有する分子を決定した。さらに末端にチオール基を有するウレア型側鎖を結合させ、8-ニトロGとの反応性を調べ、付加体形成に最適な側鎖構造を決定した。本年度は、本反応を速度論的に解析し、反応の選択性の起源を明らかにすると同時に、水溶液中で錯体を形成させるための、認識分子開発を検討した。 1.ウレア型スペーサー末端にアルキルチオールを導入した誘導体の中で、炭素数3個のチオール体が最も効果的な反応性を示した。速度論的解析によって、反応速度はチオールのpKaによるものではなく、活性化エントロピーの違いによることが明らかになった。 2.水中で8-ニトロGを特異的に捕捉する分子の開発:前年度までに水中で8-ニトロG 3’, 5’-モノリン酸を特異的に捕捉するため、サイクレン分子を銅触媒下のクリック反応を経て、認識分子を合成した。平成25年度は、リン酸体認識構造の最適化を目的に、8-oxo-GTP認識をモデルとして検討した。フェノキサジン環に糖部分を含みクリック反応でサイクレンを結合したもの、糖部分がなくクリック反応でサイクレンを結合したもの、糖部分がなく、アルキル鎖で結合したものの3種類を比較した。その結果、糖鎖をもちクリック反応で結合したものが最も安定な錯体が形成できることが分かった。 以上、平成25年度の研究は計画通りに進展した。
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