2013 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化・脱リン酸化によってリングが移動するロタキサン型超分子の創製
Project/Area Number |
24659011
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 伸 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00222472)
|
Keywords | リン酸化 / 脱リン酸化 / ロタキサン / 超分子 / 酵素反応 / 分子機械 |
Research Abstract |
本研究では、その原理を模倣し、水溶液中でリン酸基転移酵素(キナーゼ)及びリン酸加水分解酵素(ホスファターゼ)によるリン酸化と脱リン酸化に伴って構造が変化する人工超分子を開発することを目標とした。リング部(シクロデキストリン,CyD)とその中を通過する軸部からなるロタキサン構造を持ち、CyDの水酸基がリン酸化されるとその位置が変化し、脱リン酸化で元に戻る化合物を設計・合成した。「Station 2 (S2)」となる亜鉛―サイクレン錯体を両端に有し、「Station 1 (S1)」として働くアゾベンゼン骨格を中央にもつ軸を設計し、この軸分子が真ん中を通るようにCyDが存在するロタキサン分子を設計した。最終段階におけるアミド結合反応を、MOPS緩衝液中でDMT-MMを用いて行うことで、ロタキサン分子の合成に成功した。このロタキサン分子と軸分子単独の1H NMR、UV、CDスペクトルを測定したところ、1H NMRスペクトルでは、軸分子では1種類のシングレットが観測されたのに対し、ロタキサン分子では4つの異なるダブレットが観測された。また、アキラルな軸分子のCDスペクトル上でコットン効果が観測されないのに対し、ロタキサン分子は340 nm付近に正のコットン効果が観測された。以上の結果は、ロタキサン分子中のアゾベンゼン部がCyDのキラルな内部空間に包接されていることを示唆している。次に、hexokinaseとglycerol kinaseを酵素として、ATPをリン酸供与剤としてロタキサンのCyDの水酸基の酵素的リン酸化反応を検討したが、CyDのリン酸化を確認できなかった。現在、CyDの水酸基に異なる水酸基ユニットを導入し、kinaseによるリン酸化を検討中である。また、紫外線(350 nm)と可視光(420 nm)を照射によるアゾベンゼンの光異性化反応を行っており、ロタキサン分子の両端にあるZn-cyclen分子を架橋する有機分子を共存させることにより、カテナン型分子への変形を検討中である。
|
Research Products
(24 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Evaluation of Zinc (II) Chelators for Inhibiting p53-Mediated Apoptosis2013
Author(s)
Akinori Morita, Shinya Ariyasu, Soichiro Ohya, Ippei Takahashi, Bing Wang, Kaoru Tanaka, Takatoshi Uchida, Haruna Okazaki, Kengo Hanaya, Atsushi Enomoto, Mitsuru Nenoi, Masahiko Ikekita, Shin Aoki, and Yoshio Hosoi
-
Journal Title
Oncotarget
Volume: 4 (12)
Pages: 2439-2450
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-