2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659013
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安齋 順一 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40159520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勝彦 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80400266)
|
Keywords | バイオセンサー |
Research Abstract |
金電極の表面に金ナノ粒子とポリアリルアミンを交互に累積して交互累積膜を被覆した修飾電極を種々の条件により行い過酸化水素に対する応答性の改善を試みたが、応答電流の著しい増大を実現することは艱難であった。したがって、グラフェン修飾電極の作製とその過酸化水素に対する応答性の改善を行った。前年度は、酸化グラフェン分散液に電極を浸漬して電解還元する方法により、電極表面に還元型グラフェンを析出させてグラフェン修飾電極を作製する試みたが、本年度は酸化グラフェン分散液を電極表面に滴下して乾燥させて電極表面に酸化グラフェン層を形成したのちに、電極上で電解還元反応を行い還元型グラフェンとする方法を採用した。この方法では、電極上の還元型グラフェンの量や厚さを制御することが容易であり、電極性能の最適化に有効であることが判明した。この方法で作製したグラフェン修飾電極は、未修飾電極に比べて過酸化水素の0.6Vにおける酸化応答および0Vにおける還元応答が著しく増大することが判明した。一方、尿酸やアスコルビン酸に対する酸化応答の増大はあまり大きくないことがわかった。さらに、グラフェン修飾電極をポリアリルアミンとポリビニル硫酸の交互累積膜で被覆すると尿酸やアスコルビン酸に対する応答を無視できる程度に低減することが可能であった。このようにして作製したグラフェン修飾電極に乳酸酸化酵素と固定化して乳酸センサーを作製すると、尿酸やアスコルビン酸により妨害を受けない乳酸センサーとなり、溶液中の尿酸を測定できることを明らかにした。次に、このセンサーを用いて気体(呼気)中の乳酸の測定を試みた。センサー表面を呼気に曝すことにより電流値の微弱な変動が観察されたが、出力信号の再現性等に課題が残った。
|