2013 Fiscal Year Annual Research Report
P糖タンパク質の生体内分子イメージング剤の立体構造に基づいた最適化
Project/Area Number |
24659018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90204487)
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Keywords | 分子イメージング / ABCトランスポーター / X線結晶解析 / P糖タンパク質 / 抗がん剤 |
Research Abstract |
1.標的ABCトランスポーターと分子プローブ候補化合物との複合体のX線結晶解析:当初予定した5種類の分子プローブ候補化合物と標的ABCトランスポーターとの複合体結晶を調製することができたことからX線結晶構造解析を実施したが、いずれの結晶の場合も、それぞれの分子構造を反映する電子密度を得ることはできなかった。しかし、結晶は、分子プローブ候補分子の吸収スペクトルを示すように着色していたことから、いずれの分子プローブも現状の結晶中では、均一な結合状態を示していないことが示唆された。そこで、ドッキングシミュレーションを用いて、候補分子の結合部位を探索したところ、ABCトランスポーター内部に2ヶ所の結合部位を見いだすことができた。しかし、当該分子は、同程度の結合エネルギー状態に置いて複数の結合様式を取ることが示された。 2.Lipidic Mesophase法とBicelle法による高分解能結晶の調製:Lipidic Cubic phaseおよびLipidic sponge phaseの化合物を用いて目的ABCトランスポーターの結晶化を行ったところ、結晶が得られた。そこで、その結晶を溶解してSDS電気泳動を行ったところ、その結晶は、目的とするABCトランスポーターを含む物体であることが判明した。 3.高分解能結晶を利用するX線解析の実施:上記2で結晶は得られたが、大きさは20マイクロメートル程度であり、実験室のX線解析装置ではX線回折像を得ることができなかった。この程度の大きさの結晶の場合は、高輝度の放射光X線の利用が不可欠であると考えられた。 4.立体構造に基づいた分子プローブ構造設計指針の改良と総括:ドッキングシミュレーションから、候補化合物は、複数の結合様式を取る可能性が示されたことから、PETの分子プローブとしては、さらに結合力が強く、構造に対する特異性も向上させることが必要であることが示された。
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[Journal Article] Structural basis for gating mechanisms of a eukaryotic P-glycoprotein homolog2014
Author(s)
Atsushi Kodan, Tomohiro Yamaguchi, Toru Nakatsu, Keita Sakiyama, Christopher Hipolito, Akane Fujioka, Ryo Hirokane, Keiji Ikeguchi, Bunta Watanabe, Jun Hiratake, Yasuhisa Kimura, Hiroaki Suga, Kazumitsu Ueda, Hiroaki Kato
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
Volume: 111
Pages: 4049-4054
DOI
Peer Reviewed
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