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2012 Fiscal Year Research-status Report

γセクレターゼ活性調節因子の同定と解析

Research Project

Project/Area Number 24659034
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

岩田 修永  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70246213)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsアルツハイマー病 / アミロイドβペプチド / γ-セクレターゼ / プレセニリン / 活性調節 / 亜鉛トランスポーター / 亜鉛 / プロテオリシス
Research Abstract

研究年次計画に従って実験を進め、γセクレターゼ活性を修飾する可能性がある11種類の候補遺伝子を理研バイオリソースセンターより入手し、動物細胞発現ベクターに組み込むと共にエピトープタグを付与した。これらのベクタープラスミドをAPP安定発現株に遺伝子導入し、各遺伝子の発現を確認した。これらの候補遺伝子のうち、SLC39A3について期待するAβ42/Aβ40比の変化を観察したので、現在SLC39A3とAPPの共安定発現株の作製を進めると共にsiRNAを用いたSLC39A3ノックダウンによるAβ42/Aβ40比の変化を確認している。Aβの産生変化を解析している。一方、その他の分子についても一過性過剰発現系で、Aβ42/Aβ40産生比の変化の解析を順次進めている。
Aβ産生に関与し、Aβのカルボキシル末端の多様性を生むγセクレターゼにはAPP以外にもNotchを含む数多くの内在性基質が存在するため、直接的な阻害剤は副作用が多く、アルツハイマー病の治療目的に使用できない。そのため、Aβ40産生には影響せずAβ42産生のみを選択的に阻害するようなγ-セクレターゼ調節薬の開発が望ましい。しかし、この特異性を修飾する分子については全くと言って良いほど明らかにされておらず、今回の発見はアルツハイマー病の創薬研究に新たな治療標的を見出したという点において大きな意義がある。今後の研究展開の萌芽的研究成果につながると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究は先行研究のDNAマイクロアレイによってγ-セクレターゼの機能変化に関与する可能性が示唆された候補遺伝子がAβ42/Aβ40産生比の変化をもたらすかを明らかにし、実際にそのような遺伝子が同定されればその分子機構を明らかにすることを目的としている。幸いにも初年度において、既にAβ42/Aβ40産生比の変化関与する遺伝子の同定に成功しており、また、研究計画に照らし合わせても一義的な目的を達成していると言える。また、その他の候補遺伝子についても既に動物細胞発現ベクターに組み込み、動物細胞での遺伝子発現を確認しており、Aβ42/Aβ40産生比の解析を待つ状態になっている。このように、本研究は当初の計画通り順調に進んでおり到達度は高い。

Strategy for Future Research Activity

上記の研究成果を踏まえ、まずはAβの最終的な切出しを行う「γセクレターゼ」とAβ42の切り出しを特異的に亢進しAβ40産生量には影響を与えない分子「SLC39A3」にターゲットを置き、その分子機構を明らかにした上で、Aβ42の切り出しを低下させることにより、副作用が少なく安全性が担保される創薬を目指す。これらの基礎研究により創薬開発基盤を固めた上で、SLC39A3に拮抗する低分子化合物のスクリーニング研究へと発展させていく。特に、SLC39A3のAβ切出しに対する分子機構において、SLC39A3がγセクレターゼ複合体に直接結合して切断活性を変化させるのか、または亜鉛トランスポーターとしての生理機能を介して間接的にAβ42/Aβ40 比を変化させるのかを明らかにしておく必要がある。前者であれば両分子の結合部位を明らかにし、両者の結合を阻害する化合物をスクリーニングすることで創薬研究に展開する。一方、後者であれば亜鉛トランスポーターに作用し、機能に拮抗する化合物のスクリーニングへと展開する。また、SLC39A3がin vivoでAβ産生調節分子として機能するか否かについて、遺伝子改変マウスやウイルスベクターを用いた過剰発現およびノックダウンシステムを用いて解析していく。
また、その他の候補遺伝子についても、過剰発現およびノックダウンシステムによってAβ42/Aβ40 比の変化が観察され次第、その分子機構の解明を進めていく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

主として生化学用試薬と免疫組織化学用試試薬の購入に充てる。
生化学用試薬にはAβ40およびAβ42を測定するためのELISAキット(100千円/キット各2)や生化学実験に必要な試薬(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動用のアクリルアミド、バッファー類、ブロット膜、ウエスタンブロッティング検出試薬など)の購入費用が含まれる。
免疫組織化学用試試薬には免疫染色を行うための、シグナル増感剤TSAキットを購入するための費用が含まれている。
なお、一次抗体、ペルオキシダーゼ結合二次抗体および蛍光標識二次抗体は前年度購入分を使用する。不足時に適宜補充する。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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