2012 Fiscal Year Research-status Report
ニ量体化した膜型受容体検出のためのスイッチオン・オフ型プローブの創出
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24659043
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
玉村 啓和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (80217182)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 分子プローブ / GPCR / 二量体 / 近赤外領域 / スイッチオン・オフ型 |
Research Abstract |
Gタンパク質共役型受容体(G-protein coupled receptor; GPCR)等の膜型受容体は、二量体化することにより重要な生理作用を示すことが明らかになってきており、また、創薬研究においてGPCR二量体が有用な標的となっている。申請者は以前に、GPCRのひとつであるケモカインレセプターCXCR4の二量化状態を選択的に認識する二価結合型CXCR4リガンドを創製しており、CXCR4を過剰発現する種々のがん細胞を特異的に認識することを見出している(T. Tanaka, et. al., J. Am. Chem. Soc. (Commun.), 132, 15899, 2010)。本研究では二価結合型CXCR4リガンドを基に、CXCR4が過剰発現した乳がん・小細胞肺がんを標的としたin vivoイメージング・分子プローブの創製研究を行った。具体的には、赤色~近赤外領域で吸収‐蛍光放出するシアニン系色素を導入し、CXCR4二量体に結合したときにのみ蛍光を発するスイッチオン・オフ型の化合物を合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本スイッチオン・オフ型の二価型CXCR4リガンドは、プロリンリンカーを挟んで2個のcFC131を配置しており、赤色~近赤外領域で吸収‐蛍光放出するシアニン系色素を導入し、CXCR4二量体に結合したときにのみ蛍光を発するようなシステムを構築した。よって順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、種々のCXCR4を発現したがん細胞に対するイメージング効果を評価し、また、がん組織を用いたin situリガンド認識に関する検討、マウスを用いたin vivoイメージングにおける基礎的条件の検討、マウス生体内における代謝測定・半減期の予測、ゼノグラフトマウスを用いた培養がん細胞への集積時間の検討を行い、分子プローブとしての有用性の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
二価結合型リガンドについて細胞表面での受容体CXCR4に対する結合を検証する手段として蛍光イメージング実験を行う。まず、細胞に対して受容体CXCR4が一過性に強制発現している状態で観察を行う。これにはCXCR4のC末端側にEGFPを融合した観察用変異体を作製する。前年度に得られた二価結合型リガンド側にはシアニン系色素(赤色~近赤外)を導入しているので、EGFP(緑色)と蛍光波長が被らず、蛍光の漏れ込みによるバックグラウンドの検出を抑えられると考えられる。この系を用いることでリガンドの受容体への結合を生細胞にて観察することが可能である。リガンドがCXCR4に対して特異的に結合している場合は蛍光の重なり、共局在が観察される。また、赤色~近赤外と緑色の蛍光の重なりが見られた場合は、二価結合型リガンドのシアニン系色素が消光によりスイッチオフになっていた状態から、消光が外れてスイッチオンになったことが確認できる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Low Molecular Weight CXCR4 Ligands with Variable Spacers.2013
Author(s)
Tetsuo Narumi, Haruo Aikawa, Tomohiro Tanaka, Chie Hashimoto, Nami Ohashi, Wataru Nomura, Takuya Kobayakawa, Hikaru Takano, Yuki Hirota, Tsutomu Murakami, Naoki Yamamoto & Hirokazu Tamamura
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Journal Title
ChemMedChem
Volume: 8
Pages: 118-124
Peer Reviewed
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