2013 Fiscal Year Annual Research Report
RNA中のピンポイント酸化損傷に基づく疾患の新規診断法、治療法の創製研究
Project/Area Number |
24659047
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 陽祐 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (00452714)
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Keywords | 酸化損傷塩基 / 認識分子 / 8-oxo-rG / 人工核酸 |
Research Abstract |
本研究では、RNAのピンポイント酸化損傷に基づく疾患の新規診断法、治療薬の創製に向けて、これまでに未達成な1本鎖RNA中の8-oxoGの配列特異的検出法を開発し、発生部位が翻訳や修復に与える影響を詳細に検討する事にチャレンジする。mRNA中の小さな傷である8-oxoGは、翻訳過程の阻害や機能不完全なタンパク質の発現により病気の原因になる可能性が考えられているが、8-oxoGの発生部位と疾患やタンパク質の機能阻害への詳細な関係は明かとなっていない。そこで、申請者が開発したDNA中の8-oxodGと非天然型塩基対形成可能な人工核酸であるAdap(Adenosine-diazaphenoxazine)の構造の最適化を行い、独自のRNA中の8-oxoGの配列特異的な検出法の開発を行った。 最終年度では、新規に見いだしたRNA型の8-oxorGの合成法およびRNA組み込み法の確立を行った。認識分子の合成ではRNAタイプに変換したAdap誘導体、2OMe-Adapの合成に成功し、RNA中の8-oxorGの認識に成功した。研究期間全体では、RNA中の8-oxorGの性質を明らかにすることで、RNA中でもグリコシド結合部位が天然塩基のanti配座とは異なる、syn配座を優先しているという新たな知見を得ることに成功した。さらには、RNA中の8-oxo-rGを認識可能な人工核酸の創製にも成功し、Adapあるいは2OMe-Adapプローブの開発に成功した。また、Adapの基本骨格であるアデノシンの2位にアミノ基を有する2-Amino-Adapの合成にも成功し、DNAやRNA中の8-oxoGを認識可能な人工核酸の創製に成功した。
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