2013 Fiscal Year Research-status Report
PEG化医薬品候補化合物のPETイメージング法の開発:革新的創薬を目指して
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24659049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 周司 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60192457)
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Keywords | ポリエチレングリコール / PEG化医薬品 / Huisgen反応 / 創薬 / フッ素アニオン / ペプチド / 蛍光色素 / イメージング |
Research Abstract |
新薬候補化合物に分子量数千kDa~数万kDaの長鎖ポリエチレングリコール (PEG) を結合することで、抗原性の低下、血中濃度の長時間維持、副作用の軽減などを図る研究が活発である。本研究では、種々のPEG化医薬品候補化合物の[18F]フルオロ誘導体、すなわち[18F]F-PEG-Drug (1)を簡便・迅速に調製し、マイクロドーズ臨床試験に資する技術開発を行う。フッ素アニオンは求核性が弱く、18Fの半減期が短いために、長鎖PEGに短時間で[18F]Fを導入するためには80℃以上に加熱する必要がある。しかし、本反応条件はペプチドなどの熱に不安定な化合物が結合したPEGには適用できない。そこで本研究では、クリック化学(Huisgen反応)などを活用して上記目的に適う(1)の合成法を開発する。平成25年度は以下の成果を得た。 1. 安定同位体19Fを使って(1)を迅速に合成する手法開発を検討した。まず、PEG (Mw 2kDa)の一端に高活性アルキンを有し、他端にペプチドを結合するための官能基を有する機能性PEGを合成した。これを、昨年度合成した、末端にアジド基が結合したF-PEG (Mw 2kDa)とHuisgen反応によって連結し、全長4kDaの修飾F-PEGを合成するルートを開拓した。 2. インテグリンαvβ3に結合するRGDfCを有するアルキンと、蛍光色素AlexaFluor647とアジド基を有するPEG (Mw 2kDa)をHuisgen反応によって連結し、末端にRGDfC、他端に蛍光色素Alexa647を有するPEG (Mw 2kDa)(1a)を合成した。また、RGDfCの代わりにアルキルチオ基を有する対象化合物(1b)を合成した。両化合物を、ヒト肺がん細胞を移植したマウス尾静脈に投与し、AlexaFluor647の蛍光によってin vivoイメージングした。その結果、これらの化合物の体内動態を非侵襲的に観察することができた。特に、1aが腎臓および腫瘍へ集積する様子が観察された。 3. JSTの支援を受けて上記の合成法をPCT出願した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.ペプチドを結合するための官能基を有するF-PEGの合成ルートを見出すことが出来たが(研究実績概要1)、ペプチドとの結合ならびに18F化が実施できていない。 2.鎖長2kDaのPEGで、蛍光によるin vivoイメージングに成功したが(研究実績概要2)、もっと長いPEGにも適用できることを実証しなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
1.安定同位体19Fを用いて、RGDfCが結合したF-PEG(Mw 4kDa)の合成法を完成させる。その後に、[18F]F-PEG-ペプチドを合成し、その体内動態をPETで可視化できることを実証する。 2.鎖長4kDa以上のPEGを用いて、蛍光色素-PEG-ペプチドの合成条件を確立させる。これらの化合物について、鎖長による体内動態の違いを明らかにする。 3.前記のHuisgen反応を活用する標識化PEG化医薬品の合成法と動態解析について、本年度末にPCT出願した。そのため、論文や学会での発表は控えたが、平成26年度には実験を追加して、積極的に学会発表と論文発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
構造修飾した長鎖PEGの取り扱いが難しく、また、精製と構造決定に手間取り、研究計画の遂行に遅れが生じた。また、今年度は、前年度に購入していた薬品を使って、前述の問題点の解決検討を主に行った。そのため、薬品類の購入費が非常に少なく、次年度使用額が生じた。この1年間の検討の結果、問題解決の目処が立ったので、平成26年度まで研究期間を延長し、繰り越し研究費を活用して、当初の研究目標の達成と更なる発展をめざす。 主な使途は、薬品や実験動物の購入費、18F実験費、研究打合せや学会発表のための旅費である。
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[Journal Article] Dynamic Analysis of Fluid Distribution in the Gastrointestinal Tract in Rats: Positron Emission Tomography Imaging after Oral Administration of Nonabsorbable Marker, [(18)F]Deoxyfluoropoly(ethylene glycol)2013
Author(s)
Takashima T, Shingaki T, Katayama Y, Hayashinaka E, Wada Y, Kataoka M, Ozaki D, Doi H, Suzuki M, Ishida S, Hatanaka K, Sugiyama Y, Akai S, Oku N, Yamashita S, Watanabe Y
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Journal Title
Mol. Pharmaceutics
Volume: 10
Pages: 2261-2269
DOI
Peer Reviewed
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