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2012 Fiscal Year Research-status Report

ヒ素の毒性発現を規定するヒ素メチル基転移酵素の選択的スプライシング

Research Project

Project/Area Number 24659059
Research InstitutionTokushima Bunri University

Principal Investigator

角 大悟  徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (30400683)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords慢性ヒ素中毒 / スプライシング / メチル化酵素 / As3MT / 白血病
Research Abstract

ヒ素メチル基転移酵素(As3MT)は, 無機ヒ素をメチル化する酵素として同定されたが, 培養細胞や組織中のAs3MT酵素活性はその困難さ故にほとんど測定されていない. 一方, 研究代表者はAs3MT mRNAにスプライシングフォーム(Δ4,5)を検出した. そこで本年度は, Δ4,5スプライシングフォームmRNAを検出・定量する鋭敏な方法ならびに選択的スプライシングによって得られたタンパク質を特異的に検出できる抗体の作成に着手した. まず, Real-time PCRでの定量のために, エキソン3と6が結合したときにのみ測定できるプライマーを作成したところ, ヒト肝癌HepG2細胞やヒト食道不死化Het1A細胞でΔ4,5が発現していることを見出した. また, 野生型As3MTの発現と比較すると, ヒト慢性骨髄性白血病K562細胞において野生型As3MT発現は検出できたが, Δ4,5 As3MTの発現は検出できなかった. さらに4と5番目のエキソンが翻訳された部分で抗体を作製し, 野生型およびΔ4,5 As3MT遺伝子を高発現した細胞の抽出液をウエスタンブロットしたところ, 作製した抗体は野生型As3MTを認識するが, Δ4,5 As3MTは認識しないことが明らかとなった. 現在, 本抗体を使用して各種細胞間でのΔ4,5 As3MT発現に関して検討を行っている.
また, ヒ素曝露によってΔ4,5 As3MTの発現が上昇するかについてHepG2細胞を用いて検討した. その結果, 10 maicroMの亜ヒ酸に経時的に曝露されたHepG2細胞では, 6時間をピークとしてΔ4,5 As3MTの発現が上昇していることが明らかとなった. しかしながら, 野生型As3MT発現も上昇しており検討を進めている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度はΔ4,5 As3MTの鋭敏な検出法の確立を目指した. その結果, Δ4,5 As3MT mRNAをReal-time PCRで定量することができた. 本系を用い5種の臓器が異なる細胞からmRNAを取り出して検討したところ, Δ4,5 As3MTを発現している細胞株を見出した.
また, Δ4,5の部分の抗原に対する抗体を作製した. 高発現細胞を用いた結果, Δ4,5 As3MTタンパク質を特異的に区別できる抗体の作製に成功した.
本抗体の使用によって, ヒ素曝露にりΔ4,5 As3MTの発現が変動することも見出した.
以上のことから, 本研究は「おおむね順調に進展している」と考える.

Strategy for Future Research Activity

本年度は, Δ4,5 As3MT mRNAの発現が検出されなかったK562細胞に経時的に亜ヒ酸を曝露し, Δ4,5 As3MTが誘導されるか否か, 誘導された場合スプライシングに関わる因子の変動などについて検討する.
HepG2やHet1A細胞のようなΔ4,5 As3MT mRNA発現が多い細胞と, Δ4,5 As3MT mRNAの発現が検出されなかったK562細胞を比較することで, 定常的なΔ4,5 As3MT発現の意義を検索する.
今現在のところ, 微量であるために定常状態の細胞からメチル化ヒ素を検出することができない.そこで本年度は, 高感度HPLC-ICP-MSを用いることで, 上記HepG2, Het1AおよびK562細胞を用いて, これら細胞株におけるヒ素メチル化活性を検討する.
さらに慢性的にヒ素に曝露されている住民の血液サンプルを使用して, Δ4,5 As3MT mRNAの発現し, ヒ素中毒症状との関連性を検討したい.
以上の研究内容について研究代表者を含め, 薬学部学部生の4, 5, 6年生で検討を進める.
これまでの結果をまとめ, 学会等で発表すると共に, 当該領域の国際雑誌に刊行する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額(B-A)に96円を計上したが, これは平成24年度に受けた学術研究助成基金助成金の利息により発生したものである. 物品費に用いる予定である.

  • Research Products

    (7 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (5 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Journal Article] Involvement of Nrf2 activation in the upregulation of S100A9 by exposure to inorganic arsenite.2013

    • Author(s)
      Sumi, D., Shimizu, Y., and Himeno S.
    • Journal Title

      Int. J. Mol. Med.

      Volume: 31 Pages: 259-264

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Role of Arsenic (+3 Oxidation State) Methyltransferase in Arsenic Metabolism and Toxicity2012

    • Author(s)
      Sumi, D., and Himeno S.
    • Journal Title

      Biol. Pharm. Bull.

      Volume: 35 Pages: 1870-1875

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ナチュラルキラー細胞の機能に対する亜ヒ酸の影響2013

    • Author(s)
      小川智子、津山博匡、原田久美、角大悟、姫野誠一郎
    • Organizer
      日本薬学会第133年会(シンポジウム)
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      20130328-20130330
    • Invited
  • [Presentation] ヒ素化合物による免疫担当細胞の機能障害2013

    • Author(s)
      角大悟、津山博匡、原田久美、小川智子、姫野誠一郎
    • Organizer
      日本薬学会第133年会(シンポジウム)
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      20130328-20130330
    • Invited
  • [Presentation] 亜ヒ酸によるナチュラルキラー細胞の機能障害2013

    • Author(s)
      角大悟、津山博匡、原田久美、小川智子、姫野誠一郎
    • Organizer
      第12回分子予防環境医学研究会
    • Place of Presentation
      つくば サイエンス・インフォメーションセンター
    • Year and Date
      20130201-20130202
  • [Presentation] Reduction of the degranulation in rat RBL-2H3 mast cells by chronic exposure to arsenite via impairment of store-operated Ca2+ entry2012

    • Author(s)
      Daigo Sumi, Yuri Shimizu, Seiichiro Himeno
    • Organizer
      The 6th International Congress of Asian Society of Toxicology
    • Place of Presentation
      仙台国際センター
    • Year and Date
      20120718-20120720
  • [Presentation] 亜ヒ酸のNK細胞活性化に対する免疫毒性作用2012

    • Author(s)
      角大悟, 原田久美, 小川智子, 姫野誠一郎
    • Organizer
      第39回日本毒性学会学術年会
    • Place of Presentation
      仙台国際センター
    • Year and Date
      20120718-20

URL: 

Published: 2014-07-24  

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