2013 Fiscal Year Annual Research Report
標的絶対プロテオミクスに基づく個別癌化学療法の新規診断基盤の樹立
Project/Area Number |
24659063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 康雄 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (70583590)
中田 光俊 金沢大学, 医学系, 助教 (20334774)
立川 正憲 東北大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (00401810)
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Keywords | 分子標的薬 / がん / 定量プロテオミクス / リン酸化 / 増殖因子受容体 |
Research Abstract |
本研究では、がん細胞の増殖に主要な役割を果たす増殖因子受容体の自己リン酸化部位のリン酸化量に基づいてがん細胞増殖の責任受容体を同定し、最適な分子標的薬の選択基準を樹立するための学術的基盤を構築することを目的とした。今年度は、Hammoc (Hydroxyacid-modified metal oxide chromatography)法によるリン酸化ペプチドの濃縮と脱リン酸化を組み合わせることによって、増殖因子受容体のリン酸化量を複数同時かつ超高感度に液体クロマトグラフィー-質量分析装置(LC-MS/MS)を用いて定量する技術を確立した。本技術を上皮成長因子受容体(EGFR)を高発現するがん培養細胞に適用した結果、受容体リガンドであるEGF処理に伴ってリン酸化量が増加するペプチド部位が4カ所で検出された。同定されたリン酸化部位の中から、EGFRに対する分子標的薬(EGFRチロシンキナーゼ阻害剤)であるゲフィティニブ処理によって、リン酸化量が減少する部位の絞り込み及び定量化に成功した。さらに、細胞増殖に対するゲフィティニブ感受性の異なるがん細胞において、ゲフィティニブ処理による自己リン酸化量の変動量に顕著な差が見出された。本研究開発によって、がん組織における増殖因子受容体のリン酸化量の高感度定量法が確立され、増殖因子受容体の定量的リン酸化プロファイルに基づいた分子標的薬の有効性の検証が可能となった。
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Research Products
(5 results)