2013 Fiscal Year Annual Research Report
受容体応答性の改変による機能選別型変異FGF19の糖脂質代謝調節作用の解析
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24659064
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
宮田 昌明 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 教授 (90239418)
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Keywords | FGF19 / FGF受容体 / 細胞増殖作用 / 脂肪性肝疾患 |
Research Abstract |
タンパク工学的手法を用いて糖脂質代謝調節作用を有し細胞増殖作用を持たない、あるいはその逆の作用を有するであろうと考えられる変異型FGF19組換えタンパクFGF19-7とFGF19dCTDとを作製した。FGF19dCTDとFGF19-7の機能をヒト肝癌由来のHepG2細胞に処理して解析し、FGF19-7はFGF19に比べてCYP7A1発現抑制能が減弱している事を確認した。さらにマウスにFGF19あるいはFGF19-7を3日間投与し、肝臓に対する細胞増殖作用をKi-67による免疫染色により評価した。FGF19投与によりKi-67陽性細胞数は増加したがFGF19-7処理によりKi-67陽性細胞数は増加せず、FGF19-7は細胞増殖作用を欠失している事を確認した。マウスにメチオニン・コリン欠乏食を6週間摂取させて脂肪性肝炎モデルを作製し、最後の4日間40 nmol/kgのFGF19あるいはFGF19-7を投与した。メチオニン・コリン欠乏食摂取で有意に上昇した血中ALT活性がFGF19あるいはFGF19-7いずれの投与でも有意に減少した。肝内脂質レベル(トリグリセリドと遊離脂肪酸)もメチオニン・コリン欠乏食摂取で有意な増加が認められたが、FGF19あるいはFGF19-7投与で有意に減少した。ALTと脂質レベルの変動でFGF19とFGF19-7の間に差異は認められなかった。又メチオニン・コリン欠乏食摂取で肝臓の細胞増殖の亢進が認められたがFGF19とFGF19-7処理により同程度抑制された。以上の結果よりFGF19は脂肪性肝疾患を抑制する作用があり、細胞増殖作用を欠失した変異型FGF19-7でも野生型FGF19と同様な抑制作用が維持されていることが示唆された。
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