2013 Fiscal Year Annual Research Report
三種温度感受性ヒト不死化細胞を用いたHuman Mini Liver構築の試み
Project/Area Number |
24659067
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
千葉 寛 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40159033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
降幡 知巳 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80401008)
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Keywords | 薬物代謝 / 予測 / 不死化細胞 / 肝臓 |
Research Abstract |
本研究は、ヒト肝実質細胞とヒト非実質肝細胞の温度感受性不死化細胞を新規に樹立し、それらの細胞を独自の肝再生疑似培養法で培養することにより、これらの細胞が協調して働くin vitroヒト肝モデルを構築することを目的としている。 ヒト類洞内皮細胞は市販のものを購入し、ここに温度感受性SV40 large T抗原遺伝子を搭載したウイルスを感染させた。ヒト類洞内皮細胞は入手量が極めて限られていることから、種々の培養・遺伝子導入条件を用いて実験を同時におこない、そのうちある条件下において類洞内皮細胞の持続的な細胞増殖が認められた。そこで次にヒトテロメラーゼ触媒サブユニット遺伝子を導入して、不死化細胞をブラストサイジンにより選択した。本細胞より調製したcDNAを用いてRT-PCRをおこなったところ、導入した両遺伝子の発現が認められたことから、本細胞を新規ヒト不死化類洞内皮細胞とした。本細胞は世界初の細胞であり、この細胞を用いることにより新たなin vitroヒト肝モデルの構築が可能となるばかりでなく、ヒト類洞内皮細胞の生理機能解明および肝疾患治療標的の探索などにも応用可能であると期待される。一方、ヒト肝細胞については、不死化遺伝子の導入をおこなったものの、持続的に増殖する細胞群が得られなかった。したがって、今後は不死化遺伝子の種類を変えて検討をおこなう必要がある。しかしながら、本研究に関連する検討からヒト肝がん由来細胞の分化形質を明らかに向上させる(予備検討結果でCYP3A4、OATP1B1、OATP1B3 mRNAがそれぞれ5倍、9倍、20倍上昇)手法を得た。そこで、今後はこの分化させたヒト肝がん由来細胞と上述のヒト不死化類洞内皮細胞によるin vitroヒト肝モデルを構築する予定である。
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