2012 Fiscal Year Research-status Report
薬物トランスポーターのin vivo機能評価を実現する内因性化合物の網羅的探索
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24659071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠原 洋之 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00302612)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 薬物動態 / トランスポーター / メタボローム / 内因性基質 / 薬物間相互作用 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
aPyrimethamine投与後の健常人被験者の血漿・尿検体のメタボローム解析を実施した。尿中に排泄される化合物の中で、creatinineやN-methylnicotinamideに加えて、carnitineおよびその代謝物(acylcarnitine)、thiamineの尿中排泄が大きく低下することを見いだした。一方で、血漿中濃度は、pyrimethamine投与による変動を示さず、いずれも腎クリアランスの低下によるものと考えられる。thiamineについては、腎尿細管分泌に関わるOCT2、MATE1・MATE2-Kの基質となることをin vitroで確認することができた。マウスにおいても、pyrimethamine投与によりこれら化合物の腎排泄低下が認められた。構造決定には至らなかったものの、5化合物の腎排泄が低下することも見いだした。これらの結果は、MATEが薬物以外の化合物の尿中排泄にも関与することを示すとともに、当初の想定通り、内因性プローブを適切に選択することで、トランスポーターの機能変動を検出することができることを示している。Pyrimethamine投与検体のほか、probenecid(およびPAH、benzylpenicillin投与検体)、OATP2B1の遺伝子多型(*1 versus *3)で層別化した臨床検体の解析を実施し、層別化した検体間で強度の異なるピークを複数検出しており、データベース検索により化合物推定を行った。OATP2B1では、硫酸抱合体の変動が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRP2に引き続き、申請者が薬物動態の解析に取り組んでいる腎有機カチオントランスポーター(MATE)についても、メタボローム解析により、臨床検体においても阻害剤投与により変動する内因性基質を同定することができた。これらは試験開始時点で想定したとおり、メタボローム解析の有効性を示す結果であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体に解析をすすめ、化合物の同定を進めるとともに、マウスでもヒトと同様の変動を生じていることから、薬物トランスポーターのノックアウトマウス解析、ならびに強制発現系などin vitro試験系でも同様の解析を実施し、内因性基質を探索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画通り、設備・備品費の購入はない。標品や同位体購入を予定していたが、メタボローム解析の結果、同定された化合物に関しての購入は、予算を大幅に下回った。また、分析に使用したカラムについても、目的達成のため、当初予想を下回った。その経費を次年度に繰り越した。本年度、引き続き行うメタボローム解析を実施する計画となっているが、臨床検体に加えて、マウスでの評価も計画に含まれている。解析の規模が拡大することから、標品となる化合物の試薬類購入ならびに分析条件を変えるため複数のカラムが必要となることから、その購入に充てる。
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