2013 Fiscal Year Research-status Report
miRNA発現プロファイルを用いた肝薬物代謝能の変動予測
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24659077
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
森家 望 兵庫医療大学, 薬学部, 助手 (30509138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
九川 文彦 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (90205063)
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Keywords | cytochrome P450 / micro RNA / in silico予測 |
Research Abstract |
本年度は、CYP誘導剤を暴露したマウスや培養細胞におけるmiRNA発現変動を調べ、CYP遺伝子を標的とするmiRNAの探索を行った。CYP3Aを誘導するpregnenolone-16alpha-carbonitrileをマウスに投与し、肝臓のmiRNA発現量を測定した。その結果、TargetScanによりCyp3a11を標的遺伝子と予測するmiRNAの発現変動が認められた。次に、CYP1Aの誘導剤であるBenzo(a)pyrene をマウス肝がん由来細胞株Hepa1c1c7に暴露し、Cyp1a1やCyp1a2を標的遺伝子とするmiRNAの発現量を測定した。その結果、2種類のmiRNAの発現量に顕著な低下が認められた。現在、これらのmiRNA発現ベクターを作成し、Hepa1c1c7への遺伝子導入実験を進めている。 一方で、膨大なmiRNA発現変動データから有意なmiRNAを抽出するための解析法の開発にチャレンジした。現在報告されている関節リウマチ患者由来組織におけるmiRNA発現データをサンプルに用いた。初めに、標的遺伝子予測アルゴリズム(DIANAmT, miRanda, miRWalk, PICTAR5, TargetScan)を用いて、各miRNAの標的遺伝子のin silico予測を行った。次に、得られた標的遺伝子を元にPathway解析(KEGG)を実施した。その結果、既に関節リウマチとの関連が知られているPathwayが多く確認され、更に、これまで報告のないシグナル伝達経路にmiRNAが関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、細胞や動物を用いた実験を中心にCYP発現に関与する可能性のあるmiRNAのスクリーニングに注力し、得られたmiRNAと標的遺伝子の関連について個々に検討するまでに至らなかった。また、自作Excell VBAによるmiRNAの標的遺伝子予測の効率化などのin silico解析に着手したことも理由の一つと考えられる。しかし、本法により、miRNAデータの効率的な解析が可能となり、潜在的なmiRNA制御メカニズムを見出せることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の結果から、得られたmiRNAと標的遺伝子の関連について個々に検討する。特に、CYP遺伝子のmRNA量やタンパク量、及び、その活性測定を行うとともに、ルシフェラーゼアッセイによるmiRNAとmRNAの相互作用実験を行う予定である。また、in silico解析により、CYP遺伝子の転写制御に係わる核内受容体などの遺伝子がmiRNAの標的になることが示唆されたため、これらの遺伝子についても検討を加えていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、培養細胞を用いた実験を中心に行ったため、培地などの細胞実験用試薬を中心に研究費を執行した。本来は、miRNAと個々の遺伝子の関連を検討するためのルシフェラーゼアッセイを実施する予定だったが、あまり着手出来ず、それらに係る諸経費が次年度に先送りになったことが起因する。 また、本年度より着手したin silico解析は、主にWeb上の無償のサービスを活用したため、あまり費用を要さなかったことも一因と考えられる。 来年度は、上述したルシフェラーゼアッセイを中心に、多数のmiRNAと多数の標的遺伝子の関連について検討するので、主にこれらに係る費用に執行する予定である。
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Research Products
(1 results)