2014 Fiscal Year Annual Research Report
miRNA発現プロファイルを用いた肝薬物代謝能の変動予測
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24659077
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
森家 望 兵庫医療大学, 薬学部, 助手 (30509138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
九川 文彦 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (90205063)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薬物代謝 / Cytochrome P450 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、薬物代謝酵素cytochrome P450(CYP)遺伝子発現に関与するmicroRNA(miRNA)を特定し、薬物代謝能の変動予測への応用を目的としている。 研究期間全体を通して、はじめに、関節リウマチなどの炎症性疾患が肝臓におけるCYP発現へ及ぼす影響を明らかとし、それらのCYP変動にmiRNAが関与している可能性を検討した。次に、マイクロアレイなどから得られる膨大なmiRNA発現変動データから、miRNA標的遺伝子の探索や標的遺伝子のパスウェイ解析を効率的に行うためのデータマイニング法を開発した。解析に係る作業(データ収集、標的遺伝子予測、パスウェイ解析)をExcel VBAを用いて自動化することで、解析に要する時間の大幅な短縮、及び人為的なミスの防止を達成した。最終年度は、培養細胞系を用いて、個々のmiRNAとCYP遺伝子間の関連を検討した。まず、Cyp1a familyを標的遺伝子とするmiRNAを、miRNA標的遺伝子ソフト(TargetScanなど)を用いて予測し、Benzo(a)pyrene を曝露したマウス肝がん由来細胞株Hepa1c1c7における発現量をリアルタイムPCR法により定量した。その結果、Cyp1a2を標的遺伝子候補にもつmiR-186-5pの有意な発現低下が認められた。次に、Cyp2b10遺伝子を標的とするmiRNAを同様の方法で予測した。予測された12種類のmiRNAの発現ベクターとCyp2b10遺伝子3’-UTR を搭載したpmirGLOベクターを作製し、ルシフェラーゼアッセイを行ったところ、miR-421-3pを初めとした複数のmiRNAがCyp2b10遺伝子発現調節に関与している可能性が示唆された。 以上の結果から、CYP遺伝子発現に関与する可能性のあるmiRNAが幾つか見出された。今後、これらのmiRNAが、標的とするCYP遺伝子のタンパク質発現、及び代謝活性に及ぼす影響を詳細に解析し、CYP代謝能変動を反映するバイオマーカーへの応用が可能かについて更なる検討を加えていく。
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Research Products
(1 results)