2014 Fiscal Year Annual Research Report
逆方向多層的オミックス解析による手足症候群の発症機序の解明と予測系の構築
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24659078
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
斎藤 嘉朗 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 部長 (50215571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 京子 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 室長 (70270626)
近藤 俊輔 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (90546201)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 抗がん剤 / 副作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度からの,手足症候群を起こしやすいソラフェニブ,スニチニブと,起こしにくいイマチニブ,ゲフィチニブを添加したA431細胞の抽出液の解析を継続した.脂質の抽出として,Bligh&Dyer法で有機層画分及び親水性画分を分取し,有機層はUPLC-TOFMSによる一般脂質解析に,親水性画分は固相抽出後にUPLC-MS/MSによる酸化脂肪酸解析に供した.陰性対照であるDMSO処理細胞に比して,ソラフェニブ,スニチニブで同方向に有意にレベルが変化し,イマチニブ,ゲフィチニブで変化が見られなかった一般脂質が2種,認められた.このうち,同定が可能であった1種は,ジアシルグリセロール(DG, 33:1)であった.また統計学的に有意ではないものの,他のジアシルグリセロール分子種でも同様の傾向が認められた.なお,酸化脂肪酸代謝物で同様の傾向が見られる分子種は検出されなかった.以上の結果から,手足症候群発症に関連する可能性のある脂質分子種が探索されたが,当該分子種はジアシルグリセロールであったことから, Protein kinase Cの関与が示唆された.また,ヒト試料を用いた遺伝子多型解析は,8遺伝子11多型の解析を継続し,36症例の解析が終了した.ヒト試料の解析については,これまでの収集試料数が42症例と予定より遅延しているため,継続する予定である.
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Research Products
(3 results)