2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659080
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
志賀 隆 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50178860)
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Keywords | 内臓感覚 / Runx転写因子 / 神経ペプチド / 迷走神経 / 食道 |
Research Abstract |
内臓感覚は脊髄神経節(DRG)と迷走神経の節神経節(NG)の感覚ニューロンによって中枢神経系に伝えられる。近年、侵害受容性、機械受容性および固有感覚性ニューロンの発生におけるRunxファミリー転写因子による制御機構の解明が進んだが、内臓感覚性ニューロ ンの発生については不明な点が多い。平成24年度は、胎生17.5日の野生型マウスを用い、NGと内臓を解析した。平成25年度はRunx1遺伝子欠損マウスを用い、内臓として主に食道に注目し種々のマーカー分子の発現について免疫組織学的手法を用いて解析した。胎生17.5日のRunx1+/+::Tg食道では神経細胞のマーカーであるPGP9.5は粘膜固有層・粘膜下組織、筋層及び筋層間神経叢に陽性線維が、神経ペプチドであるCGRPは筋層及び筋層間に陽性線維が、TRPV2は筋層間神経叢に陽性細胞が見られた。TRPファミリー(V1、V2、V4、A1、M8)の抗体を用いた染色では免疫陽性反応は認められなかった。食道の面積に対するPGP9.5陽性線維(全神経線維)の面積比率を求めたところ、Runx1+/+::TgとRunx1-/-::Tgとの間に有意な差は認められなかった(p=0.46)。それに対し、CGRPの発現はE17.5のRunx1+/+::Tgに比べRunx1-/-::Tgで有意に増加していた(p<0.05)。従って、Runx1は食道におけるCGRPの発現を抑制性に調節する可能性が示された。
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