2013 Fiscal Year Research-status Report
癌細胞の生存戦略に関与する新規細胞膜ドメイン構造の解析
Project/Area Number |
24659088
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
和栗 聡 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30244908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 武文 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80548925)
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Keywords | 膜ドメイン / Dipeptidase1 / 酸化ストレス / 癌細胞 |
Research Abstract |
本研究ではDipeptidase1 (DPEP1)の細胞内グルタチオン濃度調節機構を介したストレス耐性機構を明らかにする目的で、新規DPEP1陽性膜ドメインの形態学的な同定とDPEP1の細胞増殖・浸潤能・酸化ストレス耐性能への関与を明らかにする。平成24年度にはDPEP1陽性膜ドメインがGPIタンパク質特異的ドメインに局在すること、微絨毛形成部ではその基部に局在することを明らかにした。平成25年度はDPEP1の癌細胞活性における機能的側面を解析し、以下の成果が得られた。 1.DPEP1を高発現するHCC56細胞を用いてRNAiによるノックダウン実験系を確立した。この実験系では2種類のsiRNAノックダウンオリゴヌクレオチドを用い、導入後5日までDPEP1発現の低下が観察された。 2.同実験系を用いてMTT assayによる増殖能評価を行ったが、DPEP1発現低下による有意な影響は認められなかった。また、有孔インサートチャンバーとマトリゲルインサートチャンバーを用いて遊走能及び浸潤能について調べたが、有意な変化は認められなかった。 3.ひ酸水素二ナトリウム七水和物水溶液 (AsV) を添加することで酸化ストレスを誘導し、DNA損傷の程度を免疫蛍光法を用いたリン酸化H2AXの検出により評価した。その結果、DPEP1を発現低下させた細胞では、酸化ストレスによるDNA損傷が有意に起きやすいことが分かった。 以上の結果より、DPEP1発現が酸化ストレスに対する耐性能を上げている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞株を用いたDPEP1の局在解析および機能解析まで進むことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は本研究の最終年度である。論文として発表するための追加実験に全力を注ぎ、がん研究分野の科学雑誌に投稿すると共に受理を目指す。
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Research Products
(1 results)