2013 Fiscal Year Annual Research Report
三次元多層細胞構築による動脈硬化における炎症の慢性化機構の解明
Project/Area Number |
24659100
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70404994)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 生理学 / ナノバイオ / 細胞・組織 / 三次元培養 / 弾性線維 |
Research Abstract |
[研究目的]新規実験系「三次元多層細胞」を構築して動脈硬化の病態を解明し、効果的な治療の基礎を確立することを目的とする。 [実験手法]三次元積層体の構築:ウィスターラットの新生仔の大動脈から単離した血管平滑筋細胞を用いた。フィブロネクチンとゼラチンの細胞表面の薄膜形成により7層の三次元血管モデルを構築した。10%もしくは1%のFBSを含有したDMEM, DMEM/F-12を用い、培地条件が弾性線維の形成に与える影響を検討した。弾性線維の染色・定量:エラスチカ・ワンギーソン染色を行い、ソフトウェアを用いて、輝度抽出により定量した。また、既存の三次元細胞培養としてスフェロイドを平滑筋細胞で作成し、弾性線維や平滑筋の分化の評価を行った。さらに、三次元平滑筋細胞積層体にマクロファージに分化させた単球系細胞株を共培養して、マクロファージの平滑筋細胞体への影響を検討した。 [結果]培養液の検討と弾性線維の形成:DMEM/F-12 により培養された三次元血管モデルでは7層の構造が形成されなかった。一方、DMEMにより培養されたものでは7層の積層構造と弾性線維の形成が確認された。1%のFBSの条件では10%と比較し、弾性線維の形成が有意に増加した。1%の条件では、弾性線維の構成分子のうちelastinとfibrillin-2のmRNA発現が有意に高かった。平滑筋形質マーカーの発現:単層の細胞と比較し、三次元血管モデルにおいては収縮型の平滑筋マーカーであるSM1のタンパク発現が有意に多く、合成型のマーカーであるSMembの発現が少なかった。また、三次元平滑筋細胞積層体にマクロファージが浸潤し弾性線維を分解していることを、免疫染色でとらえることができた。 [結論]弾性線維を含有する三次元平滑筋細胞体を作製することができた。この三次元血管モデルは血管疾患解明の新たなツールとなることが期待される。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Prostaglandin E_2 inhibits elastogenesis in the ductus arteriosus via EP4 signaling2014
Author(s)
Yokoyama U, Minamisawa S, Shioda A, Ishiwata R, Jin MH, Masuda M, Asou T, Sugimoto Y, Aoki H, Nakamura T, Ishikawa Y
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Journal Title
Circulation
Volume: 129
Pages: 487-96
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Three-Dimensional Multilayers of Smooth Muscle Cells as a New Experimental Model for Vascular Elastic Fiber Formation Studies2014
Author(s)
Ishiwata R, Yokoyama U*, Matsusaki M, Asano Y, Kadowaki K, Ichikawa Y, Umemura M, Fujita T, Minamisawa S, Shimoda H, Akashi M, and Ishikawa Y
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Journal Title
Atherosclerosis
Volume: 233
Pages: 590-600
DOI
Peer Reviewed
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