2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
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Keywords | エピジェネティクス / 発生・分化 / DNAメチル化 / 精子形成 |
Research Abstract |
雄性生殖細胞の発生において、レトロトランスポゾン遺伝子の潜在的な突然変異誘発を抑制するため、その発現は、制御領域のDNAメチル化によってサイレンシングを受けている。そのサイレンシングにおいて、piRNAという小分子RNAが結合したMIWI2タンパクが機能すると考えられている。また、piRNAが分子的なガイドとして機能し、MIWI2が抑制的なエピジェネティック制御の引き金になるとが推定されている。しかし、これらの実験的な証明はなされていない。そこで我々は、piRNA存在しなくとも、MIWI2をレトロトランスポゾン遺伝子の領域へとリクルートすることができれば、レトロトランスポゾン遺伝子のサイレンシングを生じさせることができるのではないかという仮説に基づいた研究を立案、遂行した。 そのために、レトロトランスポゾンの転写調節領域に結合するzinc fingerタンパク(ZF)を設計した。そのZFタンパク、および、ZFとMIWI2の融合タンパクをコードする遺伝子を作成し、それぞれを、胎生期の雄性生殖細胞において発現するトランスジェニックマウスを作成した。それらのマウスをMIWI2を欠損するマウスと交配したところ、ZFのみではMIWI2欠損の表現型をレスキューすることができなかったが、ZF-MIWI2ではレスキューすることができた。 この結果は、我々の仮説、すなわち、MIWI2をレトロトランスポゾンの転写調節領域にリクルートすれば、piRNAが存在しなくとも機能発現できること、また、MIWI2がそのためには必要であること、を示している。現在、これらのマウスの胎生期雄性生殖細胞におけるレトロトランスポゾン遺伝子の調節領域のDNAメチル化状態、ヒストン修飾状態などを詳細に解析している。
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[Journal Article] GPAT2, a mitochondrial outer membrane protein, in piRNA biogenesis in germline stem cells2013
Author(s)
Shiromoto Y, Kuramochi-Miyagawa S, Daiba A, Chuma S, Katanaya A, Nishimura K, Ohtaka M, Nakanishi M, Nakamura T, Yoshinaga K, Asada N, Nakamura S, Yasunaga T, Kojima-Kita K, Itou D, Kimura T, Nakano T
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Journal Title
RNA
Volume: 19
Pages: 803-810
DOI
Peer Reviewed
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