2012 Fiscal Year Research-status Report
Notchシグナルの共役因子Mastermindの統合失調症への関与
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24659143
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北川 元生 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40262026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 健二 滋賀県立成人病センター(研究所), 神経病態研究部門, 専門研究員 (70362473)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Notchシグナル / 統合失調症 / Mastermind |
Research Abstract |
統合失調症患者400名の血液由来ゲノムDNAにおいて、Notch シグナル系の構成要素であるMAML1、MAML2、MAML3、RBP-J各遺伝子のexonとpromoter 領域1kbをPCR で増幅し、Illumina 社製次世代シーケンサーMiSeq によってシーケンシングを行った。得られたシーケンスがそれぞれ目的とする領域のものであることを確認したので、今後、このシーケンス情報をreference となるゲノム情報上にマッピングし、統合失調症特異的なSNP (single nucleotide polymorphism)等の有無について検討を行う。さらに見いだされたSNP等について各遺伝子の産物の機能にあたえる影響を解析する。一方この機能解析に用いるMamL1、MamL3、Rbp-j 各ノックアウトマウス由来の初代培養線維芽細胞を調整し凍結保存した。 一方、マウスの行動解析のためには多数の個体が必要であるが、MamL3 ヘテロ欠損マウスおよびノックアウトマウスは、解析に必要な個体数を得るため現在交配中である。必要数が得られたら、MamL1 ヘテロ欠損マウス同様の統合失調症様の異常が認められるか検討する。 MamL1 floxedのES細胞は、International Mouse Consortiumにおいて現在も作製中である。 MamL2 floxed mouseについては、米国Pennsylvania大学から今後入手する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Notch シグナルの構成要素であるMAML1、MAML2、MAML3、RBP-Jの統合失調症患者に特異的なSNP等を検索し、その意義について機能解析するという第一の研究目的を達成するため、統合失調症患者のゲノムDNAのシーケンシングを当初の計画を上回る400名分について終了した。次年度は、このシーケンス情報からSNP等を見出しその機能解析を行うが、この機能解析に用いるMamL1、MamL3、RBP-J 各ノックアウトマウス由来の初代培養線維芽細胞はすでに準備を完了しており、平成25年度中に本研究目的を達成することは十分可能であると考えられる。 第二の目的であるNotchシグナル系の他の構成要素の遺伝子改変マウスの行動解析については、MamL3 ヘテロ欠損マウスおよびノックアウトマウスの交配が進行中であり今年度に解析を行うことができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
統合失調症患者に特異的なSNP等の解析については前記のように研究を推進してゆく。この際、現在得られているシーケンス情報から統合失調症特異的なSNP等を見出すために、RAM が32G、CPU が 8コアのハイスペックのコンピューター、および次世代シーケンスデータを解析するための専用ソフトウエアが必要であり、これらの購入を予定している。 MamL3 ヘテロ欠損マウスおよびノックアウトマウスについてはこのまま繁殖を継続し、行動解析を行う。MamL1 floxedのES細胞は、International Mouse Consortiumにおける作製作業を注視し、ES細胞が単離されたら入手する。MamL2 floxed mouseについて入手が当初の見込みより遅れているのは、供与元での論文作製等の問題があると思われるが、この件に関しては供与元の対応を待つ。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、前記のように次世代シーケンスデータを解析するためにハイスペックのコンピューターおよびソフトウエアの購入を予定している。その費用を用意するため、平成24年度は研究費の使用計画を一部変更し未使用額が生じた。その他は今年度同様、マウス飼育費、実験用消耗品費にあて、さらに新たなES細胞、マウス系統の入手が可能になったらその輸送費にあてる。
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[Journal Article] MAML1 enhances the transcriptional activity of Runx2 and plays a role in bone development.2013
Author(s)
Watanabe T, Oyama T, Asada M, Harada D, Ito Y, Inagawa M, Suzuki Y, Sugano S, Katsube K, Karsenty G, Komori T, Kitagawa M, Asahara H.
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Journal Title
PLoS Genet.
Volume: 9
Pages: e1003132
DOI
Peer Reviewed
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