2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659157
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
赤尾 幸博 岐阜大学, 連合創薬医療情報研究科, 教授 (00222505)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分泌膜小胞 / がん細胞 / 薬物搬送システム(DDS) / CD81 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度研究計画の成果として、①RNA分子導入細胞による組織特異性の検証。結果:分泌膜小胞の膜蛋白についてはCD8、CD63、CD81がマーカーである可能性が示唆された。中でもCD81が特異的であった。これら表面蛋白マーカーは細胞への取り込みの機構に関連があるかは明らかにできなかった。CD81をビーズに固相化し、膜小胞を単離した。それらをヒト大腸癌細胞DLD-1細胞の担癌マウスを作製後、尾静脈より投与した。その結果、腫瘍組織、肝臓、腎臓に特異的に集積された。 ②RNA分子を蛍光ラベルして細胞に導入し、そのRNA分子を包埋する膜小胞を検出、分取する方法を見出す。結果:CD81をビーズに固相化し、膜小胞を単離することには成功した。しかし、膜小胞の直径が小さいためフローサイトメーターでは検出できなかったし、分取もできなかった。ただ、RT-PCR法によりビーズでの収集がかなりの回収率であることが確認できた。これらの全身投与により有意差はでなかったが抗腫瘍効果に傾向は見られた。
総括:RNA干渉を利用したRNA医薬を実現させるにはヌクレアーゼから回避できる合併症のない薬物搬送システム(DDS)の確立が必須である。siRNA, miRNAをex vivoで細胞に導入し、細胞治療、遺伝子治療として癌の治療に応用できればこれまでの方法に比べ、副作用も少なく、より生理的な新規なDDSとして期待される。当研究では、マクロファージを介して目的のRNA分子を分泌膜小胞に内包させキャリアーとするRNA分子搬送システムの構築を目指した。その結果、膜小胞特異的に発現するCD81との抗原抗体反応により分泌膜小胞単離システムの構築を確立し、またその過程においてトランスフェクション試薬の最適化に成功した。さらに担癌マウスでの全身投与における評価ができた。今後、がん細胞に特異的に集積するDDSの開発が望まれる。
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