2013 Fiscal Year Annual Research Report
接着分子とLINCcomplexとの相互作用の解明
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24659162
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 吉之輔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10362683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 成昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70190402)
河口 直正 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70224748)
森 誠司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90467506)
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Keywords | LINC complex / nesprin2 |
Research Abstract |
LINC complexタンパク質は核と細胞骨格とをつなぎ、細胞質内での核の位置を制御している。 甲状腺乳頭癌組織20症例および良性腫瘍組織21症例を用いて、LINC complexタンパク質であるnesprin2、SUN1、SUN2に対する抗体で免疫染色を行い、その結果、染色面積については、3種類のタンパク質いずれについても、悪性腫瘍と良性腫瘍で差が見られなかった。染色強度については、nesprin2の染色強度が良性腫瘍に比べ悪性腫瘍で有意に低いことがわかった。一方でSUN1とSUN2では悪性腫瘍、良性腫瘍の間で染色強度に有意な差は認められなかった。このことから、SUNは悪性、良性に関わらず、甲状腺腫瘍細胞で核膜に発現していると言える。 乳癌では非癌部と比較してLINC complexタンパク質全般の発現が低下傾向にあったことから、甲状腺乳頭癌においてもLINC complexタンパク質の発現が全体的に低下すると考えた。しかし実際に発現が低下傾向にあったのはnesprin2、SUN1、SUN2のなかでnesprin2だけであった。 nesprinとSUNは核膜で結合しており、SUN1やSUN2の欠失が核膜外膜でのnesprin2の発現に影響を与えると報告されているが、SUN1、SUN2はnesprin2の発現低下に影響されることなく、安定して核膜内膜に局在していると考えられる。 LINC complexタンパク質の中でnesprin2の発現低下が乳癌の悪性化に関与している可能性が示唆されている。今回の結果から甲状腺乳頭癌で見られる核異型にnesprin2が関与している可能性が考えられたことから、nesprin2の発現低下は、癌細胞で見られる形態的および性質上の変化に深く関わっている可能性が考えられる。
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[Journal Article] A dominant-negative FGF1 mutant (the R50E mutant) suppresses tumorigenesis and angiogenesis.2013
Author(s)
Mori S, Tran V, Nishikawa K, Kaneda T, Hamada Y, Kawaguchi N, Fujita M, Takada YK, Matsuura N, Zhao M, Takada Y.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 8
Pages: e57927
DOI
Peer Reviewed