2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / 自然免疫 / 無菌性炎症 / 樹状細胞 / レセプター |
Research Abstract |
1. 細胞外Hsp90 (exHsp90)レセプターのクローニング マクロファージや樹状細胞を含む抗原提示細胞が細胞外の熱ショック蛋白質HSPを結合・取り込むことにより、自然免疫を活性化し、無菌性炎症を惹起することが知られている。特にexHsp90 は樹状細胞への結合・取り込み効率が高く、さらに抗原提示を促進して獲得免疫の活性化を増強する。本研究では、無菌性炎症に関わるヒト樹状細胞状のHsp90レセプターを同定することで、自然免疫活性・無菌性炎症惹起の分子メカニズムを解明する。 平成24年度はGM-CSFを用いてヒト末梢血単球から誘導した樹状細胞からpoly A (+) RNAを精製したのち、RT-PCRを行い、cDNAを合成した。cDNAを精製後、λZAPIIベクターにライゲーションした。これをXL-1 Blueにtransformationし、200万pfuのcDNAライブラリーを作成した。このcDNAライブラリーをcos7細胞に一過性発現させ、ビオチン化Hsp90との結合性をフローサイトメーターにてスクリーニングした。cDNAを50万クローンスクリーニングしたところ、以下の候補遺伝子を同定した。すなわち、VDAC2, Timp3, β-tubulin, lamin B, Chicitase 3であった。しかし、細胞表面分子は含まれておらず、レセプターの可能性は低いと考えられた。そのため、平成25年度においては、レトロウイルスライブラリーとパンニング法を用いて、Hsp90レセプター発現クローニングを行う。 2.レセプター媒介性エンドサイトーシスの共焦点顕微鏡による観察 Alexa488で標識したヒトHsp90を用いて、ヒトの樹状細胞によるエンドサイトーシスと細胞内局在を観察した。取り込まれたexHsp90は初期エンドソームに特異的にかつ長時間貯留(~3時間)を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画における1. 細胞外Hsp90 (exHsp90)レセプターのクローニングについては、計画にあるcos細胞を用いた発現クローニングを行い得た。また2. レセプター媒介性エンドサイトーシスの共焦点顕微鏡による観察を行い、exHsp90の特徴的な初期エンドソームへの標的と長時間の貯留を示すことができた。以上のように、現在の達成度としては、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては、もう1つのストラテジーである、マウス未熟樹状細胞から作成したレトロウイルスライブラリーを用いて、パンニング法により、Hsp90レセプター発現クローニングを精力的に行い、レセプターをコードする遺伝子を同定する。具体的には、これらのcDNAライブラリーをマウスB細胞株P3U1の導入し、Hsp90を固層化したプレートを用いてパンニングを行い、結合したP3U1を回収し、cDNAライブラリー由来遺伝子をPCRを用いて増幅する。レセプターであるかの確認は、同定した遺伝子を哺乳類発現ベクターpcDNA3.1に組換え、293T細胞に発現させ、ビオチン化Hsp90の結合を検討することによって行う。同時にこの遺伝子のヒト樹状細胞における発現と相同性を確認し、ヒト樹状細胞においてもexHsp90のレセプターとして機能しているか、検討する。その後、このレセプターに対するリコンビナント蛋白質を作成し、マウスに免疫することにより抗Hsp90受容体抗体を作成する。この抗体を用いて、Hsp90のエンドサイトーシス阻害効果を確認する。またAlexa488ラベルHsp90を樹状細胞にパルスし、Hsp90-Hsp90レセプター複合体の動態を蛍光顕微鏡を用いて検討する。また平成26年度は、exHsp90をマウスに投与し、無菌性炎症モデルを作成し、同定したHsp90レセプターに対する抗体による治療効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き樹状細胞、大腸菌などの細胞培養に用いるサイトカイン、培養液、培養器具、遺伝子合成費用、Hsp90精製に用いる試薬類、免疫用のマウス購入費に必要とする。平成26年度には、樹状細胞などの培養に関わる費用、Hsp90精製に関わる試薬、培養器具等、マウス購入費に使用を計画している。
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[Journal Article] Immunotherapeutic benefit of α-interferon (IFNα) in survivin2B-derived peptide vaccination for advanced pancreatic cancer patients2013
Author(s)
Kameshima H, Tsuruma T, Kutomi G, Shima H, Iwayama Y, Kimura Y, Imamura M, Torigoe T, Takahashi A, Hirohashi Y, Tamura Y, Tsukahara T, Kanaseki T, Sato N, Hirata K.
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 104
Pages: 124-129
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Heat shock enhances the expression of cytotoxic granule proteins and augments the activities of tumor-associated antigen-specific cytotoxic T lymphocytes.2012
Author(s)
Takahashi A, Torigoe T, Tamura Y, Kanaseki T, Tsukahara T, Sasaki Y, Kameshima H, Tsuruma T, Hirata K, Tokino T, Hirohashi Y, Sato N.
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Journal Title
Cell Stress Chaperones
Volume: 17
Pages: 757-763
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Heat shock protein 40 family, DNAJB8 is expressed in renal cancer stem-like cell, controls the tumor-initiating ability and can be a potent target of immunotherapy.2012
Author(s)
Nishizawa, S., Mori, T., Hirohashi, Y., Torigoe, T., Tamura, Y., Kamiguchi, K., Takahashi, A., Kanaseki, T., Nakazawa, E., Asanuma, H., Sokolovskaya, A., Morita, R., and Sato, N.
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Journal Title
Cancer Res,
Volume: 72
Pages: 2844-2854,
DOI
Peer Reviewed
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