2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659175
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本多 伸一郎 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60360640)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 敗血症 / IgA / IgM / Fc受容体 |
Research Abstract |
生体が生来有するIgM自然抗体は様々な病原体成分を認識して病原体排除に寄与する。申請者らが同定した免疫細胞上のIgM受容体、Fcα/μR (CD351)を欠損したマウスは盲腸結紮後穿孔による腹膜炎に対して炎症性サイトカインの産生が減弱し、生存率が低下した。Lipopolysaccharide (LPS)投与に対してもFcα/μR遺伝子欠損マウスは炎症性サイトカイン産生が減少したが、Fcα/μRとIgMの会合を阻害する抗体を投与した野生型マウスでも同様に炎症性サイトカイン産生か減少した。申請者はIgM自然抗体がFcα/μRとの会合の結果、炎症性サイトカイン産生を始めとする病原体排除機構を惹起するという仮説を立て、IgM自然抗体による新しい病原体排除機構を明らかにし、Fcα/μRを標的とした病原体排除機構の制御の可能性を検討することを目的とした。 今年度申請者はFcα/μR遺伝子欠損マウスがLPS投与に対する炎症性サイトカイン産生が低下する結果、敗血症性ショックを回避して生存すること明らかにした。また、LPSに対する炎症性サイトカイン産生にはFcα/μR (CD351)を高発現する境界領域B細胞が大きく関与していることを明らかにし、Fcα/μR (CD351)が境界領域B細胞からの炎症性サイトカイン産生を直接亢進させていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPSに対する炎症性サイトカイン産生に境界領域B細胞が大きく関与していることを明らかにした。これまで境界領域B細胞はその抗体産生を介して病原体排除に関わることが示されてきたが、この知見は境界領域B細胞の免疫応答における新しい側面を明らかにしたものである。
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Strategy for Future Research Activity |
Fcα/μR (CD351)による境界領域B細胞からの炎症性サイトカイン産生制御の分子機構の詳細を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)