2012 Fiscal Year Research-status Report
オルタナティブ・オートファジーモニターマウスの作出
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24659178
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒川 聡子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (90415159)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | オートファジー |
Research Abstract |
動物組織において、我々はAtg5やAtg7に依存しない新たなメカニズムによって実行されるオルタナティブ・オートファジーを発見した。このオートファジーの生理機能を解析する上で、いつ、どこでオートファジーが働いているのか、その局在解析をすることは必須である。しかしながら、これまで広く用いられてきた従来のオートファジーマーカーのLC3-GFPはオルタナティブ・オートファジーを同定することはできない。そのためオルタナティブ・オートファジーの存在はこれまで見過ごされてきた。我々はこれまでに、胎仔期の心臓、肝臓、脳など各臓器でオルタナティブ・オートファジーの存在を確認しているが(Nature 2009)、これらの解析はすべて電子顕微鏡によるものであり、詳細な解析を行うためには、より簡便なアッセイ法が必要である。そこで、本研究では(1)オルタナティブ・オートファジーの特異的な指標タンパクを選定し、(2)このタンパク質と赤色蛍光タンパク質を融合させたトランスジェニックマウスを作成し、オルタナティブ・オートファジーが誘導される部位を同定する。さらにGFP-LC3トランスジェニックマウス(Atg5依存的オートファジーのみをモニターできる)を交配してAtg5依存性と非依存性オートファジーとを同時にモニターできるマウスを作成する。このマウスを用いて(3)従来のAtg5依存的オートファジーとの組織特異性の違いを明らかにすることを目的とした。 本年度では(1)オルタナティブ・オートファジー誘導時に細胞内局在が変化し、Atg5依存性のコンベンショナル・オートファジー誘導時には変化しないタンパク質をいくつか同定し、(2)このタンパク質に赤色蛍光タンパク質を融合させた遺伝子を作成し、野生型細胞、及びAtg5欠損細胞に発現してオルタナティブ・オートファジーのみに反応することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、以下の5つの目的を掲げて研究を行ってきた。(1)オルタナティブ・オートファジー誘導時に細胞内局在が変化し、Atg5依存性のコンベンショナル・オートファジー誘導時には変化しないタンパク質を同定し、(2)このタンパク質に赤色蛍光タンパク質を融合させた遺伝子を作成し、野生型細胞、及びAtg5欠損細胞に発現してオルタナティブ・オートファジーのみに反応することを確認する。(3)次に、細胞で確認した遺伝子を全身に発現するトランスジェニック マウスを作成し、(4)発生の各段階でどの細胞でオルタナティブ・オートファジーが誘導されるかを明らかにする。(5)その上で、GFP-LC3マウスと交配してコンベンショナル・オートファジーとオルタナティブ・オートファジーの時空間的使い分けを明らかにする。 現在研究は目的(4)(5)まで進んでおり、おおむね順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究をさらに推進するため、当該マウスの繁殖をすすめ、研究目的(4)発生の各段階でどの細胞でオルタナティブ・オートファジーが誘導されるか、(5)GFP-LC3マウスと交配してコンベンショナル・オートファジーとオルタナティブ・オートファジーの時空間的使い分けの解析を推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウス解析用の試薬や消耗品(プラスチック器具、ガラス器具等)に使用する。
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Research Products
(6 results)