2012 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症モデルTs65Dnマウス中枢神経障害発症機序に関わる酸化修飾蛋白質の探索
Project/Area Number |
24659186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
七里 元督 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究員 (20434780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ダウン症 / 酸化修飾蛋白質 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
平成24年度はダウン症モデルマウスTs65Dnマウスとコントロールマウス(B6EiC3マウス)を繁殖、飼育し、すでに確立しているreal-time PCR法にて染色体型を判別しTs65Dnマウスおよびコントロールマウスをそれぞれ2匹選出した。選出した4匹のマウスを用いて3Dマッピング用の頭部MRI撮影を行った結果、Ts65Dnマウスではコントロールマウスに比較し、海馬が小さく、側脳室が全体的に拡大しているという所見が得られた。さらにイメージングマススペクトル画像との合成、マッピングを目的とした3D画像の作成も完了した。 MRI撮影後に2日間の安静期間を置いたのち、生理食塩水の還流後に脳組織を摘出し迅速に液体窒素で組織を凍結した。凍結した脳組織を研究分担者の大阪医科大学臨床検査学教室に輸送し、凍結切片を作成し、イメージングマススペクトル分析装置による解析を開始した。また、本マウスより血漿、赤血球、肝臓、脾臓なども摘出している。 同時に、すでに取得している酸化修飾受けた蛋白質に対する抗体を用いた測定系の感度の調整を行った。本抗体はヒト、マウスの赤血球中の酸化修飾蛋白質の酵素免疫測定法による測定が可能であり、また脳組織の免疫組織染色にも使用することが可能である。現在までにパーキンソン病患者、パーキンソンモデルマウスの赤血球で本抗体を用いた測定法で酸化修飾蛋白質が増加していることをすでに報告している。 平成24年度には本抗体を用いた酵素免疫測定法にてTs65Dnマウスとコントロールマウスの赤血球中の酸化修飾蛋白質を測定した結果、Ts65Dnマウスではコントロールマウスに比較して酸化修飾蛋白質が増加していることが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度はTs65DnマウスとコントロールマウスのMRI画像を取得すること、同マウスの脳のサンプルを取得し、イメージングマススペクトル装置にての解析を開始することを当初の目標としており、目標は達成している。しかしながら、現在イメージングマススペクトルの解析中のため、Ts65Dnマウスの脳内で変動している蛋白質の同定にはまだ至っていない。また、頭部MRI撮影が当初想定していたよりも測定時間および費用が必要であるため、平成24年度はビタミンE投与の有無による比較を行うことはできなかった。 酸化修飾蛋白質の測定は当初平成25年度に開始することを想定していたが、前倒しして平成24年度から開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、Ts65Dnマウスとコントロールマウスで蓄積されている量、分布の異なる蛋白質を同定する。特に酸化修飾を受けた蛋白質に着目して探索し、抗体を用いた免疫組織染色による分布の確認、酵素免疫学的測定法などで定量を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、平成24年度で取得したサンプルを用いてイメージングマススペクトル装置にて解析を行い、変動のある蛋白質の同定を試みる。 また、24年度に引き続き、すでに取得している酸化修飾蛋白に対する抗体を用いた、免疫組織染色および酵素免疫的測定を試みる。
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