2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳性マラリア発症機序の解明と薬物治療の効果判定システムの構築
Project/Area Number |
24659187
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
石井 明 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50107801)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 動物実験施設, 准教授 (30142053)
山本 清二 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (60144094)
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
|
Keywords | 脳性マラリア / マウスモデル |
Research Abstract |
実験的にネズミマラリア原虫P.berghei ANKA(Pb)をB6あるいはB10マウスに感染させると脳性マラリアに類似した症状が観察される。そこで脳性マラリアの発生機序の時間的・空間的変化を明らかにすることを目的として研究した。 1)GFP遺伝子導入PbのB10感染実験の結果、感染後6日から運動障害などの脳性マラリア症状を惹起し、GFP遺伝子導入による原虫の生物学的性状に変化は認められず、適切なマウスモデルを確立できた。さらに、マウスの脳表の血管で観察するために、全身麻酔下にてマウスの頭蓋骨に小さい骨窓を設け、B共焦点スキャナユニットおよびイメージインテンシファイア(増幅器)付CCDカメラを装着した顕微鏡で生体内蛍光イメージングを行った。感染後3日目(明らかな運動障害は認められない)の血管内の血流と感染後6日目(明らかな運動障害が認められる)の血流の間に違いが認められた。 2)同一個体における原虫感染後のマウス脳表血管内の血流の経時的変化を検討した。感染3日目にマウスの脳表の血管ないでの原虫感染赤血球の動態を観察した。観察後、窓を塞ぎ、ケージに戻した。感染5日目に全身麻酔下で他個体から採取しPKH26で染色した赤血球を尾静脈から注入して、縫合部を切開し、骨窓から蛍光イメージングを行った。2日間では縫合した個体には癒着は見られず、同一個体での経日変化を観察できた。感染後3日目のGFP原虫感染赤血球の速度と感染後5日目の感染赤血球の速度を比較した結果、感染後5日目の感染赤血球の速度は有意に減少した。PKH26染色赤血球と感染赤血球の速度との間に違いは認められなかった。結論としては、感染日数の増加とともに感染赤血球は増加し、血流速度が減少することが明らかとなった。熱帯熱マラリアで報告されている感染赤血球の血管内皮細胞への接着は認められなかった。
|
Research Products
(1 results)