2012 Fiscal Year Annual Research Report
新発想に基づく1b遺伝子型HCVの感染増殖システムの開発
Project/Area Number |
24659207
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 宣之 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40150883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
團迫 浩方 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80379841)
森 京子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10633604)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 遺伝子型1b / 感染増殖システム / HCV RNA複製細胞 / 宿主因子 |
Research Abstract |
培養細胞を用いたC型肝炎ウイルス(HCV)の感染増殖システムは、遺伝子型1bでは開発されていないことから、当該研究では、このシステムの開発を目指して実験を行った。これまで1b遺伝子型に属するHCV株由来のHCV RNAが自律複製しているクローン化細胞株の樹立に世界中で汎用されているヒト肝癌細胞株HuH-7の他に、Li23肝癌細胞株を用いて成功しているので、これらの細胞株におけるHCV感染性をまず調べた。HCVのソースとしてHCV陽性血清(1b遺伝子型)を用いた。この血清をこれら細胞株に添加してHCVを感染させた。1週間後に培養上清内のHCVコアの量をELISA法により測定した。しかしながら、この方法では、HCVコアの量は1 literあたり20 fmol以下と低値であった。感染1週間後の培養上清を未感染細胞にさらに感染させるめくら継代を3代に渡って行い、同様にHCVコアの量を定量したが、この方法によってもコアの量の増加は認められなかった。また、HCV RNA複製細胞を2年以上長期に継代培養して、HCV RNAの複製環境が整っていると考えられる細胞についても、同様にHCV感染実験に使用したが、HCVコアの上清中への放出はほとんど認められなかった。これらの結果から、用いた細胞では、HCV感染に関わる宿主因子が欠如しているのではないかと考え、現在までに知られている感染に必要な宿主因子(CD81, SR-BI, EGFR, CLDN1, OCLNおよびNPC1L1)のRT-PCRによる定量を行った。その結果、CLDN1の発現量が非常に低くなっていることを見出した。そこでCLDN1遺伝子の発現ベクターを作成して発現を補充した細胞を作成した。今後は、このような細胞を用いて再度HCVの感染増殖実験を行うことによりHCVの増殖が検出できるようになるのではないかと期待される。
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