2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松島 綱治 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50222427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 悟史 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00447385)
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Keywords | 移植・再生医療 / 免疫学 / 細胞・組織 / 病理学 / 癌 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでに、同種造血幹細胞移植 (allo-HSCT)患者の生命予後を脅かす免疫・造血不全が、ドナーCD4 T細胞による骨芽細胞性造血ニッチの破壊“骨髄移植片対宿主病 (骨髄GVHD)”に起因することを明らかにしてきた。本研究では骨髄GVHDの細胞・分子機序の解明と治療法確立の基礎を築くことを目的とした。今年度は、細胞周期レポーター蛍光タンパク質であるFucciを遺伝子導入したマウス間葉系幹細胞株C3H10ならびに骨芽細胞株MC3T3を用いて、GVHD誘導マウスより調整したドナーCD4+ T細胞がこれらの間葉系細胞株の細胞周期、細胞死、骨芽細胞分化へ与える影響を検証した。ドナーCD4+ T細胞とC3H10およびMC3T3細胞株を共培養した後、フローサイトメトリーにより細胞周期、細胞死を検証したところ、ドナーCD4+ T細胞が細胞数および細胞傷害因子FasL依存的に両細胞株へ細胞死を誘導することが明らかとなった。また骨芽細胞株に対しては増殖抑制を誘導する一方、間葉系幹細胞株への増殖抑制は軽度であった。さらに、共培養が骨芽細胞分化を制御する転写因子OsterixやDlx5に及ぼす影響をRT-PCRにより解析したところ、骨芽細胞選択的にOsterixおよびDlx5の発現を抑制した。同様の検討をドナーCD8+ T細胞についても行い、間葉系細胞株への細胞死誘導、増殖抑制、骨芽細胞分化抑制がドナーCD4+ T細胞に固有の機能であることが明らかになった。今後、ドナーCD4+ T細胞特異的な間葉系細胞障害の分子実態解明と、in vivoでの検証を進めることで、allo-HSCT後の免疫・造血不全を克服する予防・治療戦略に繋がると期待している。
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[Journal Article] Bone Marrow Graft-versus-Host Disease: Evaluation of Its Clinical Impact on Disrupted Hematopoiesis after Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation2014
Author(s)
Souichi Shiratori, Mizuha Kosugi-Kanaya, Satoshi Ueha, Junichi Sugita1, Akio Shigematsu, Takeshi Kondo, Daigo Hashimoto, Katsuya Fujimoto, Tomoyuki Endo, Mitsufumi Nishio, Satoshi Hashino, Yoshihiro Matsuno, Kouji Matsushima, Junji Tanaka, Masahiro Imamura, Takanori Teshima
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Journal Title
Biol Blood Marrow Transplant
Volume: 20
Pages: 495-500
DOI
Peer Reviewed
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