2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名川 文清 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (10241233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宜聖 国立感染症研究所, 免疫部, 室長 (60311403)
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Keywords | 獲得免疫系 / 無顎類 / 進化 / VLR / 遺伝子再編成 |
Research Abstract |
獲得免疫系は、外界から侵人してくる病原体を特異的に認識・排除するために脊椎動物が持つ高度なシステムであり、ゲノム再編成により多様化される抗原受容体が重要な役割りを果たしている。軟骨魚類からヒトに至るまでの生物は、イムノグロブリン(Ig)型の抗原受容体の遺伝子をV(D)J組み換えにより再編成し、多様な抗原受容体を創り出している。一方、軟骨魚類より下等なヤツメウナギやヌタウナギなどの無顎類では、leucine rich repeat(LRR)からなる抗原受容体variable lymphocyte receptor(VLR)の遺伝子を、V(D) J組み換えとは異なるゲノム再編成システムによって多様化している。本研究課題では、現在のところ不明の点の多いVLR抗原受容体遺伝子系について、遺伝子再編成システムを解析し、免疫系における自己識別をその起源と進化の観点から解明することを目指す。ヤツメウナギに関してはゲノムの配列が明らかにされているが、ヌタウナギに関しては、数種のgermline LRRセグメントの配列しか明らかになっていない。今年度は、 次世代シーケンサ一解析により昨年度に得た多数のgermline LRRセグメントの配列を解析し、germline LRRセグメントがVLR遺伝子にどのようにコピーされているのかについて解析した。また、再編成機構を明らかにするためVLR遺伝子の部分再編成体を多数単離し解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年8月~9月に米国のグループから本研究に関連する重要な論文2報が発表されたため、実験計画の変更が必要になった。そこで、10月初旬に実験動物(ヌタウナギ)を入手し、抗原受容体遺伝子の再編成について解析を進めることにした。しかし、頻繁な台風の襲来などの理由により動物の人手が遅れ、実際入手できたのは11月29日になったため、実験および学会発表のスケジュール変更が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
(i) ヌタウナギに新たに見いだされた第3のVLRに関して解析する。その結果を、これまで解析してきた2種のVLR(VLRA、VLRB)と比較する。(ii)未熟なリンパ球がどの様なVLR遺伝子を持つているのかについて解析する。例えば再編成中間体を持つものが多く存在するか、再編成に失敗した遺伝子を持つ細胞が多く存在するのか、 あるいは自己抗原を認識するものが多く存在するのか等について検討し、リンパ球分化の過程で何らかの選別が起こっているかどうかを明らかにする。(iii)マウスやヒトでは、V(D)J組み換えによって出来上がった抗原受容体に問題があった場合、例えば自己成分に反応した場合、 もう一度組み換えを起こして、 可変領域を変化させるreceptor editingと呼ばれる現象が知られている。無顎類においても同様の現象があるかどうかを検討する。 1次リンパ組織や末梢血から多数のリンパ球を分離し、 それらのVLR遺伝子の構造を調べ、遺伝子再編成が終了した後にeditingを受け、 可変領域が変化したVl,R遺伝子が実際存在するかどうかについて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年8月~9月に米国のグループから本研究に関連する重要な論文2報が発表されたため、実験計画の変更が必要になった。そこで、10月初旬に実験動物(ヌタウナギ)を入手し、抗原受容体遺伝子の再編成について解析を進めることにした。しかし、頻繁な台風の襲来などの理由により動物の人手が遅れ、実際入手できたのは11月29日になったため、実験および学会発表のスケジュール変更が必要となった。 このため、抗原受容体遺伝子の再編成についての解析、および学会発表(海外)を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(4 results)