2013 Fiscal Year Annual Research Report
記憶B細胞の可視化による記憶免疫応答ダイナミクスの解析
Project/Area Number |
24659222
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊勢 渉 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (70323483)
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Keywords | B細胞 / 免疫記憶 / 抗体産生応答 |
Research Abstract |
活性化されたIgM陽性B細胞を特異的にラベルでき、かつ誘導性に除去できるマウスの樹立に成功した。このマウス(M-SDVマウス)は抗体重鎖定常領域のCmu遺伝子の下流にloxp配列で挟まれたSTOPカセット、続いて2Aペプチド-DTR(ヂフテリア毒素レセプター)-Venus融合タンパク発現カセットが挿入されており、creリコンビナーゼによる組換えが起きるとIgM陽性細胞がDTR-Venus融合タンパク質を発現する。我々はこのM-SDVマウスをAID-creマウスと交配させ(AID-cre x M-SDVマウス)、抗原の免疫によって誘導されるDTR-Venusの発現を解析した。その結果、抗原特異的IgM陽性細胞の一部がDTR-Venusを発現するのに対し、IgM陰性細胞、特にIgM陰性記憶B細胞ではDTR-Venusの発現が認められなかった。DTR-Venus陽性B細胞をセルソーターで分離し、in vitroでIgG1細胞へのクラススイッチを誘導するとDTR-Venus発現が低下したことから、DTR-Venus発現はIgM陽性細胞に限局されることが確認できた。さらにヂフテリア毒素をマウスに投与することでDTR-Venus陽性細胞をきれいに除去できることを確認した。このことからAID-cre x M-SDVマウスは記憶IgM陽性細胞を特異的にラベルでき、かつ誘導的に除去できる優れたモデルであることが示された。このマウスを用いることにより未だにその機能・存在意義がよく理解されていないIgM陽性記憶B細胞の特性を明らかにすることができると期待される。 このM-SDVマウスに加え、IgG1陽性B細胞を特異的にラベル・除去できるG1-SDtomatoマウスも現在樹立中である。これらのマウスを駆使することで、記憶B細胞サブセットの機能を明らかにできることが期待される。
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