2013 Fiscal Year Annual Research Report
構成的免疫学の方法論に基づく免疫記憶形成の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
24659225
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
北村 大介 東京理科大学, 生命医科学研究所, 教授 (70204914)
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Keywords | 免疫学 / B細胞 / 免疫学的記憶 / 胚中心 / 免疫応答 / 細胞分化 / プラズマ細胞 |
Research Abstract |
本研究はB細胞のT細胞依存性免疫応答をin vitroで再現し包括的に理解することを目標とした。これまでに、in vitroでナイーブB細胞から大量の胚中心B細胞様の細胞(iGB細胞)を作製するiGB細胞培養法を確立した。この系では、IL4による1次培養では記憶B細胞に、IL21による2次培養では長期生存プラズマ細胞に、さらに、IL4もIL21も入れない3次培養では記憶B細胞に、それぞれin vivoで分化する前駆細胞が誘導される。本研究では、記憶B細胞と長期生存プラズマ細胞への分化誘導に必要な細胞内因子を同定し、未分化iGB細胞にそれらを段階的に再構成することにより、in vitroにおいてそれぞれの細胞に至る構成的分化誘導を実現する。平成25年度は以下のことが達成された。 1.Bach2/Blimp1二重欠損マウスの免疫応答実験よりBach2が記憶B細胞分化に必要であることが明らかとなった。これを受けて、Blimp1欠損およびBach2/Blimp1二重欠損のB細胞からそれぞれ作製した1次iGB細胞における遺伝子発現をマイクロアレイにより比較し、Bach2が制御する遺伝子の同定を試みた。その結果、いくつかの遺伝子が見出されたが、その中でCdkインヒビタ-p16をコードするCdkn2aがBach2/Blimp1二重欠損細胞で顕著な上昇を示した。事実、Bach2欠損iGB細胞の細胞回転は低下し、増殖は培養4日目以降強く抑制された。また、Bach2/Blimp1二重欠損細胞においてCdkn2a遺伝子をノックダウンした場合は、培養4日目以降の増殖がある程度回復した。 また、Bach2/Blimp1二重欠損細胞ではIg-J鎖の発現上昇とPax5の発現低下が見られた。よって、Bach2欠損によりBlimp1非依存的にプラズマ細胞への分化が進んでいると考えられた。すなわち、プラズマ細胞への分化抑制において、Bach2はBlimp1以外の遺伝子も制御していると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Germinal center dysregulation by histone methyltransferase EZH2 promotes lymphomagenesis.2013
Author(s)
3. Caganova, M., Carrisi, C., Varano, G., Mainoldi, F., Zanardi, F., Germain, P.L., George, L., Alberghini, F., Ferrarini, L., Talukder, A.K., Ponzoni, M., Testa, G., Nojima, T., Doglioni, C., Kitamura, D., Toellner, K.M., Su, I.H., Casola, S.
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Journal Title
J. Clin. Invest.
Volume: 123
Pages: 5009-5022
DOI
Peer Reviewed
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