2013 Fiscal Year Annual Research Report
エプロン型ヒッププロテクターは虚弱女性高齢者を転倒骨折から救う
Project/Area Number |
24659228
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
對馬 均 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (10142879)
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Keywords | 介護予防 / 高齢者 / 転倒骨折予防 / ヒッププロテクター / コンプライアンス |
Research Abstract |
前年度に行った既存タイプのヒッププロテクターのモニター調査の分析結果と転倒衝撃力分析結果に基づき、従来とは発想の異なる機能性・ファッション性に富み、かつ効果的なエプロン型ヒッププロテクターの設計・作製を行った。エプロンの素材にはデニム布を使用、衝撃吸収パットは低反発ポリウレタン(KCC商会製メモリーフォーム CF-47)を用いてエプロンのポケットに着脱可能とした。 つぎのステップとして、初年度に訪問調査を実施した施設をフィールドとして、試作したエプロン型ヒッププロテクターのモニターテストを実施した。同意の得られた23名の高齢女性に対して、エプロン型ヒッププロテクターの装着感、使用感などについて聞き取り調査を行い、受け入れ度について評価を行った。 結果:対象者の介護度は要支援1:17名、要介護2:17名、要介護1:3名、要介護2:2名、要介護3:1名であった。過去6ヶ月間に転倒歴のある人は4名(17.4%)で平均転倒回数は4.25回であった。平均モニター日数は36.0日±5.3日で、この期間における平均装着率は着用しなかった時間帯があった日も含め、75.3%と高かった。事後アンケートにおける「使いやすさ」の評価では、78.3%が「大変良い」と「まあ良い」という評価で、69.6%の対象者が使い続けたいと答えていた。 まとめ:着脱の容易さ、装着感、衝撃吸収能力に着目して試作されたエプロン式HPは、1ヶ月間のモニター調査において高い装着率が得られた他、7割近くの人がモニター終了後も装着を続けたいと考えていた。このことから、試作したエプロン式HPは高い受入効果を有するものと思われる。結論として、今回試作したエプロン式HPは、十分な衝撃吸収能力と良好な受け入れ効果を備えており、高齢女性の転倒骨折を実効的に予防できるツールとして役立つものと考える。
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Research Products
(2 results)