2013 Fiscal Year Research-status Report
高精度統合型救急医療情報通信システムの開発プロジェクト
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24659232
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
織田 成人 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90204205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 孝明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20375794)
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Keywords | 救急医学 / 情報通信技術 / 自動生体情報収集システム |
Research Abstract |
救急患者の受け入れ拒否を防ぐためには、救急現場での正確な患者情報の収集と伝達、受け入れ側病院の準備状況の把握と情報共有が不可欠である。本研究では、傷病者情報を現場で自動的に収集し消防局指令センターや受け入れ病院へ迅速に伝達するシステムを開発するとともに、受け入れ病院の状況をリアルタイムに把握可能な情報システムを開発することを目的としている。今年度は、生体情報自動収集システムの開発として、容積脈波を用いた小型装置を開発した。本装置は、耳朶または指先にセンサーを装着することで脈拍数、収縮期血圧/拡張期血圧、酸素飽和度を持続的に測定可能である。容積脈波センサー回路には二波長測定を可能とするために脈波センサーおよびフィルタ回路と異常体動検出回路、脈波再生回路共に2回路搭載している。現在、脈波解析をさらに発展させ呼吸数を測定表示できるように開発を進めている。さらに装置の小型化と携帯端末(iPad)への情報入力に取り組んでいる。一方、病院間の情報共有システムとして、ICUの入室状況やERの状況を簡単に入力可能なソフトを開発し、現在試験運用の準備を進めている。また、現場と病院との情報共有システムに関しては、すでに実用化されているe-Matchシステムを次年度千葉市へ導入することが決定し、本研究成果の一部をこのシステムに搭載すべく検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体情報自動収集システムについては、基盤技術がほぼ確立され、実際に臨床使用可能なプロトタイプがほぼ完成しつつある。呼吸数の測定については今後の課題である。 救急医療情報の共有化に関しては、すでに実用化されたe-Matchシステムの導入に向けて、本研究の一部を千葉市の救急医療システムに反映させるべく検討が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、生体情報自動収集装置の完成に向けて、呼吸数測定のアルゴリズムの完成やデータ通信装置の搭載、小型化をすすめる。そして、実際の医療現場で本装置を使用してデータを収集する。また、本装置で得られた情報を携帯端末に送信し、他の情報とあわせて医療機関や消防指令センターへデータを送信する技術を確立する。携帯端末と情報システムについては、今年度すでに実用化されているe-Matchシステムを千葉市で導入することが決まっているため、このシステムに本生体情報自動収集装置のデータを取り込めるよう、千葉市消防局との間で調整する。また、病院間情報システムについては、千葉大学医学部附属病院と千葉市立青葉病院、東千葉医療センターの3施設で試験運用を開始し、データを収集する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
生体情報自動収集装置の基板に問題が生じ、制作が遅れたため。 上記装置の作成・改良に用いる。
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