2014 Fiscal Year Research-status Report
複数領域の融合による、相互の納得を目的とした説明同意過程の標準化に関する研究
Project/Area Number |
24659250
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
織田 順 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60459500)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 香里(鈴木香里) 東京医科大学, 医学部, 助教 (10366130)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | インフォームド・コンセント / 説明と同意 / 情報共有 / 医療倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に沿って、3年目の研究を行った。これまでに提案したIC手法を、周術期の説明や、他の侵襲的処置前後の説明同意過程、またその他ご家族対応にかかわる情報と照らし合わせてその妥当性を検証した。特に救急集中治療領域における、終末期医療への適用に関して深く検討を行った。IC過程の標準化は医療安全にも有利であることが推測された。 救急・集中治療のように急を要するため診療に先んじてICを得るのが困難な状況に対する、包括的同意に関しての過不足(主に不足)を抽出した。これらを特に社会学的な言語分析手法を用いて解析した。正確な情報伝達に際して医療スタッフ側の用いがちな用語と家族の理解しやすい用語に差が残ること、ICにおいて家族に判断を迫る際には、ほぼすべての場合に提示側(医療側)にはどちらを推奨するかの心づもりがあることが分かった。侵襲があるものの必要不可欠な処置の場合には良いが、例えば手術療法、非手術療法を同程度に提示しなければならないような場面ではそのように意識することが必要と考えられた。 さらに、IC困難な場面についても検討できた。例として移植医療における、脳死の可能性が高い患者の家族へ、臓器提供の道があることを告げる(改正臓器移植法に基づくガイドラインで触れられている)ことについては、通常のICでは、医療者側に推奨する道があって説明するのとは異なり、よりevenな情報提供に近いはずであるが、救命上必要な処置を薦める時(例: 気管切開の説明では多くの場合気管切開を推奨する気持ちがある)のような気持ちを、臓器提供に関する情報提供の際にも持ちがち(つまりあたかも臓器提供を薦めなければならないような気持ち)を持つことがあり、それが情報提供にネガティブな姿勢を作る場合があることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
社会全体で、説明や情報提供が特に遅れているといわれている終末期医療、特に脳死が疑われる患者の家族への説明と情報提供に関する分析にまで進められた点。
|
Strategy for Future Research Activity |
特に終末期医療にかかわる際の、情報提供が進みにくい傾向、背景が判明したので、現場にフィードバックして情報提供が進むようにするための方策を考案したい。
|
Causes of Carryover |
診療情報データを手入力してデータベースを作り解析する、という進め方を行っていたが、年度途中で診療録が電子化され、入力補助者に関する経費が必要なくなったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
一方、終末期医療に関するICなど、当初の計画を超えて成果を出せているため、これを国内外で発表する機会を持つために次年度使用する。
|
Research Products
(9 results)