2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659253
|
Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
岩本 英久 呉工業高等専門学校, 機械工学分野, 教授 (40232714)
|
Keywords | 動作解析 / 基本手術手技 / 運針動作 / 伝承システム |
Research Abstract |
平成25年度は,多摩丘陵病院(東京)外科医の協力により,解析モデルとなる運針動作を4台のCCDカメラで記録した。外科医は普通の運針,深い運針,浅い運針の3種類について,縫合深さを意識した随意動作を行った。また,手術器械の位置と速度を3次元で解析するソフトの仕様や機能を策定し,富山大学の教授の協力によりプログラムを開発した。そのソフトを活用して,「刺入」と「引抜き」の2つの動作を解析した。 その結果,刺入動作については,縫合針を突き刺す直線動作と縫合針の湾曲に沿って操作する曲線動作に分割できた。直線動作における角度とその長さは縫合深さに依存していることが明らかになった。浅い運針では52.4°で刺入し,その長さは6.56㎜であった。深い運針では,65.5°で刺入し,その長さは11.3㎜であった。曲線動作は縫合深さに関係なく,縫合針の半径(14.5mm)に近い半径14.0㎜で動作されていた。つまり,縫合深さは曲線動作ではなく,初期の直線動作で制御することが明らかになった。引抜き動作については,縫合針を引き抜く動作と縫合糸を引き抜く動作に分割して解析した。縫合針引抜き動作は随意運針に依存することなく,角度は69.2°,速度は69.9㎜/secで縫合針を引き抜いていた。縫合糸は77.3°の角度,および201.5mm/secの速度で引き抜いていた。 今後はこれらの動作をロボットで再現し,首都大学東京の教授の助言を得ながら,手術現場の制約条件や動作目的にあった運針動作を設計し,基本手術手技伝承システムを開発する予定である。
|